スギ林のホソバシュロソウを見ながら、渓流沿いを遡る。
昨秋、背の高い茎の先に独特な形の実をつけていたエリアで、ヤツシロランの花を初めて見ることができた。唇弁に毛が無かったので、アキザキヤツシロランと思われた。兵庫県RDBのAランク種であるが、花の背の高さは2~3cmで、地面にすっかり同化して開花しているので、見つけるのはかなり困難である。色は茶色で地味ながら、花の中はラン科の特徴がよく分かる。
(注:その後の観察でクロヤツシロランに修正確定)
滝に立ち寄って、使い始めたばかりのiPhone SEのカメラ機能を試してみる。一眼レフで同じ写真を撮ろうと思えば、三脚を立て、NDフィルターでスローシャッターを切らなければならない。iPhoneだと、ご覧の通り、手持ちでいとも簡単にこのような写真が撮れてしまう。デジカメが売れなくなるのは当然のことだと納得される。
道端で果てていたのは、夜行性で目撃例の少ないシロマダラ。お腹が膨れていたので、獲物を食べたまま死んだようだ。
渓流沿いのヒガンバナ一輪。
ピンク色の可愛いキノコはチシオタケ。
そして、ついに見つけた粘菌。詳しい人に写真同定してもらい、キフシススホコリの変形菌の可能性が高いとのこと。子実体に変身した状態を見てみたいものである。
サルトリイバラについていたのは、ルリタテハの幼虫。
彼岸が過ぎても、蒸し暑さの残る山麓のフィールド観察であった。
2020.9.24 D7500+60mmMACRO, TG-6