ノリウツギ酒場

林道沿いのノリウツギが満開である。よく見ると、花房の中に、おびただしい数の虫が集まっている。その多くはハナカミキリの仲間である。トラカミキリやハナムグリ、蛾も集まっている。

ここまでの画像を見て、「お!」と思った方はおそらく虫屋さんだろう。私もその端くれなのだが、どうしても気になる1匹から目が離せない。しかし、見上げの遠くのノリウツギの虫たちは、撮影ポジションもままならず、相手の動きを待ってシャッターを切る以外にない。

撮影写真より、全体がわかるものをトリミングしたものを2枚、掲載する。

黒いサイコロに5の目が対で出ているこのハナムグリ、今まで見たことのない模様であった。特徴的な模様から図鑑での絵合わせ識別は難しくなかった。ジュウシチホシハナムグリ。虫屋さんのUさんに照会したところ、未採集のレアものだったらしい。但馬ではなかなか見られない種だそうだ。黒い体に17個の星があるらしいが、手にとって星の数を数えることは今回叶わなかった。

ノリウツギ酒場、満開のわずかなタイミングに、たくさんの虫たちが集まって酔いしれる。交尾個体も数多く観察した。

林道沿いは、シカの不嗜好性植物ばかりが目立つが、その一つサンヨウブシも勢力を増している。秋口にはトリカブトの仲間らしい紫の花をつけるが、今は小さな蕾が出たばかり。

さて、鳥はオフシーズンであるが、この時期でもオオルリやクロツグミを始め、第2クラッチ繁殖の囀りを続けるものがいる。いつもの、私は密かに「ホイチョイポイント」と呼んでいる森からは、今日も「ホイチョイチョイ」の囀りが聞こえた。遠くの倒木の暗がりにクロジの姿を見つけた。そこから飛んでトチノキに止まったのも遠い豆粒。
今年の証拠写真を残して現場を後にする。クロジは、2025年版兵庫県レッドリストでBランクからAランクに格上げされた一種である。シカ食害で繁殖地の保全が必要という理由から。

2025.7.16 D7500+VR300mmF4.0

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