ヒナを拾わないで

野鳥の子育て期にあたる5月~7月、地面に落ちているヒナを見かける機会が増えます。おぼつかないヒナが巣から落ちてうろたえている姿を見れば、「かわいそう」と思うのが普通の人間の心情です。
こんなときどうすればよいか、日本野鳥の会の以下のページを読んでみてください。
http://www.wbsj.org/fukyu/hirowanaide/index.html
非情なようですが、自然界は実にうまく出来ていて、すべてのヒナが最後まで育たないことは折込済みです。巣の卵やヒナがカラスやヘビに襲われたり、運悪く巣からこぼれ落ちたヒナが他の動物に食べられたり、そうして自然界のバランスが保たれています。ヒトの目につかないところで、自然界の生と死は 隣り合わせで回り続けています。「たまたま見てしまった」だけのこと。自然界全体に意識を向けなおし、深呼吸ひとつするのがヒトとしても必要だと思います。
野鳥をやっている私のところにも、「ヒナが地面に落ちている、どうしよう」という相談がこの時期にはきます。季節が進むほどに、巣から落ちたのではなく、巣立ち雛の場面に変化するでしょう。巣立ち直後のヒナが地面にいるとき、近くで親鳥がその様子を見守っています。ヒナを拾わないでください。ヒトの善意のつもりが、実はそうではないことがあるのです。

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