私の使っているコンパクトデジカメである。2001年9月にニコンから出たCOOLPIX5000、型名E5000。2002年8月に買ってすぐに初期不良で交換。翌9月からの継続使用だから、もう4年9ヶ月になる。
フィールドでの撮影はもちろん、デジスコもこれでやってきた。途中、SANYOのDSC-MZ3という超高速連写デジカメを導入したけど、一眼レフとの併用になってからは、たまに持ち出すデジスコにはもっぱらE5000を使う。
酷使してきた。かなりくたびれてきて、ズームの駆動があやしい。時々、ウーンと唸ったまま動かないこともある。いつのまにやら絞り優先AEが効かなくなっていて、いよいよ引退かと思った。待てよ、設定を初期リセットしてみたら、元通り使えるようになった。何かの都合で、露出制御系がおかしなループに入っていた様子だ。
大概WC-E68という0.68倍のワイドコンバーターを付けっぱなしにしている。E5000は28mmからの3倍ズームだから、ワイコンを付けたら19mm相当の画角になる。これが面白くてやめられない。ほとんどワイド端固定で撮っているといってよいほどだ。つまり私のE5000は19mm固定焦点デジカメ。この状態でマクロ撮影するのが最高に面白い。ターゲットを前面に大きく置いたまま、背景が広々と写りこむ。
このワイドマクロ撮影に欠かせないのが回転液晶モニタ。地面にカメラを置いたまま、徘徊する生き物をフレーミングするのだ。回転液晶での撮影の利便性は、カメラを顔の前で構えなくてもよいところである。スナップ写真のときは、相手にレンズを意識させずに撮ることが出来る。ローアングル、ハイアングル、目からカメラを放したままのフレーミングが面白い。普通のデジカメでもノーファインダーでやればいいだけの話だが、写す前に見えるのと見えないのとの差は大きいと思う。
524万画素の2/3インチCCDは豊かな表現力を持っている。いまどきのコンパクトデジカメは小型化の要求から、1/1.8インチとか1/2.5インチとかの小型素子を使う。画像処理技術が進んできたから、小さなセンサーサイズでも大画素の綺麗な画像が得られる。でも、E5000画像の持つコッテリ感というのか、奥行きの深さというのか、そういったものが今のデジカメには欠けているように私は感じる。
動作は超トロい。起動時間にいらいらする。シャッタータイムラグにもいらつく。ズーミング、AF、すべてにおいてスローテンポだ。おまけに大きくかさばる。ワイコンつけているからなおさらだ。しかし、そうであっても、今なおE5000の持つポテンシャルは素晴らしい。
これを超えるコンパクトデジカメをぜひ出してほしい。一眼レフは一眼レフだ。コンパクトはコンパクトの生き方がある。一眼レフにはマネの出来ない被写界深度の深さを生かした自由な撮影スタイルを提供することこそ、コンパクト機の使命ではないだろうか。リコーのGX100に今フラっと来ている。知り合いがさっそく買ったのを少しいじらせてもらった。悪くはない。けど、E5000を超えていない。それが率直な感想。もうしばらくE5000にしがみついてゆくのかなあと、くたびれた愛機を眺めている。
さて、この写真はE5000で撮った今までの写真の中でも、特に印象に残るものの一つ。2005年7月30日、灼熱のアスファルト林道、路上にカメラをじか置きし、汗だくになって撮影したキリギリス。この写真は一眼レフでは(少なくとも私には)撮れない。
CCDの製造不良が発覚して素子の無償交換対象になっている。今のところ私の個体は大丈夫なのだが、いっそ該当不具合が一気に出て新しいCCDで余命を伸ばして使えたらと思ってもみる。とにもかくにも、手放せないカメラなのだ。
超えるものがない
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家にもワイコン付E5000、あるよ。
超貧乏な時に買ったやつだから、大事にとってありますよ。
かなり手荒に扱ってますけど、ニコンらしい堅牢さで頑張っています。でも、もう限界近いです。GX100の値段がこなれてきたら、そっち行ってしまうかも。キヤノンのバリアングル機が28mmになるのを待つか(期待薄かなあ…)
ヘテロさんのE5000、大事にしてやってください。もうこんなマシンは出ないかも、です。
こちらでは初めまして。
僕はデジ一眼を始めるまでコニカミノルタのDimage A2 という28-200mmのセミバリアングル液晶モニタ&液晶ビューファインダー付き・レンズ一体型デジカメを使ってました。Dimage A2をメイン機として使っていた頃の写真には頭上や地面すれすれから撮った構\図の写真が今よりも多かった気がします。Dimage A2 は今も手元に残しているので、久々に使ってみようかな。
リコーのGX8を使い始めてもうすぐ2年になるのですが、背面液晶モニタが屋外でほとんど見えなくなってきました。GX100の液晶モニタは高性能\らしいので、それだけでフラッと来ています。ただ、値段がねぇ?。
コンパクト機のニーズは、軽薄短小なのでしょうね。回転液晶にするとどうしてもかさばりますし、ニッチなニーズでしかないのでしょう。だんだん選択の余地が無くなってきましたが、各社似たようなカメラばかりなので、差別化の意味でこのタイプが復活すればいいなあと期待してるのですが。
GX100は夏ごろには5万円台に落ちるのではないでしょうか。それでも高いですね。Dimage A2の作品、期待しています。