夜の帳が下りる頃


半月あまり前の話になるが、書くタイミングを逸してしまった。8月15日、お盆の夕暮れのワンシーン。
ツバメの塒入りは、豊岡盆地に夏の終わりを告げる一大ページェント。円山川のヨシ原に何万というツバメが集結し一緒に夜を過ごすのだが、ヨシ原に落ちる前に上空を渦巻く「ツバメ雲」が凄い。万単位のツバメの群れが旋回するのだ。
毎年観察を続けてきたが、塒の場所は年ごとに違う。昨年までのここ3年ほどは支流の出石川のヨシ原を使っていた。また塒は一箇所ということでもない。昨年もそうだったようだが、今年も河口の城崎町戸島のヨシ原に同規模の塒が形成されている。
8月15日の観察では、19時になってようやく大きな集団が上空に形成され、19時5分にピークとなり、その後3分ほどですべてのツバメがヨシ原に降下してしまう。10分ほどの短いドラマである。
集まり方も年や場所によって違うようだ。出石川の頃は、もう少し空が明るい時間帯に大きな群れが見られたし、塒入りが完了するまで長い時間観察することができた。

今年のツバメの塒入りは実にドライである。明かりがギリギリ残っている時間に一気に集まってきて、あっという間に下りてしまう。従って写真を撮ろうにも、今回はまともに撮るのは難しい。ISO800まで感度アップしてE-1で撮ったのがこれ。ナニモノかは説明されないとわからないが、空の様子は少し感じてもらえるだろう。
ツバメの塒入りの数はお盆頃にピークとなり、その後少しずつ数を減らして消滅する。南に向かう若鳥同士の結束の儀式とも言われるが、何の目的で集まるのか、ツバメに聞いても答えてくれはしない。ツバメが姿を消すころ、北からはカモの第一陣が渡ってくる。

0

1 throught on "夜の帳が下りる頃"

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です