洪水


夜更けに 混信ラジオ
怪しい 出来事 それが兆し
ヒトデは 隠れ場所なく
静かに 満ち潮を待つ
どこから来るのだ
空しく見つめるばかり
古き道 海を渡り
崖の上 老いぼれ 息子・娘
翡翠の 海底が昇り
空には 鋼鉄の波
雲に釘を打てば
やわらかな雨が大地に
*おーい、洪水だ
 お別れさ 肉と血液
 やがて海が静まり 誰か生きていても
 助かる者は誰一人 いないだろう
 乾杯、夢人
 渇いてる
洪水で 家も愛も無くし
落雷の 閃光で粉々
怖れるな 目の前の光景
役者は消え おまえと僕だけ
夜明け前 くじけたら
二人 全て無くすだろう
*REPEAT 2 times


ジェネシス脱退後のソロデビューアルバムに収録された、私にとっては今なおピーター・ガブリエルの最高傑作。
98年12月にこの訳詞を書いているが、まさか04年秋にこの街を大洪水が襲うとは微塵も思っていなかった。今となってみれば、この曲に対して持つイメージも違ってきたことは確かだ。
アルバムのオリジナルは仰々しいアレンジのロックオーケストレーションといったものだが、ライブでよく披露されるピアノの弾き語りバージョンが私は好きである。

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