サンインネコノメ


「たんたん山ある記」を読んだ植物に詳しい方から、阿瀬渓谷の記録にある「ホクリクネコノメ」は「サンインネコノメ」という新種の可能性があると連絡を頂いた。サンインネコノメを新種として発表された都立大学牧野標本館の若林教授に写真照会してもらって、阿瀬渓谷のホクリクネコノメはサンインネコノメという品種であることが確実になった。
若林教授によるタイプ標本がここに掲載されている。1990年氷ノ山山麓の大久保での採集標本である。上の写真は本年4月2日の阿瀬渓谷で撮影したもの。ホクリクネコノメとの識別ポイントは萼(がく)裂片の色の違い。葉の中央に固まっている小さな粒状のものが4枚構成の萼で、この色がホクリクネコノメは薄緑色サンインネコノメは薄茶色ということである。
1995年に論文発表されてサンインネコノメが新種として登録された。市販の植物図鑑のどれにもまだ掲載されていない種である。したがって、当面はこのような形でサンインネコノメというローカルな種の存在を広めてゆく必要がある。但馬山岳は湿りが特徴である。ネコノメソウはどこにでも発生するが、今後はぜひ真ん中の萼裂片の色に注目して欲しい。
ユキノシタ科 Chrysosplenium fauriae Franch f.ferruginiflorum Wakab.et H.Ohba

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