いよいよパソコン通信という言葉が終焉を迎える。1987年にパソコン通信サービスを開始したニフティサーブが、来年の3月末ですべてのサービスを終了させる。以下、本件に関する@ニフティサイトのアナウンスと、その冒頭文の引用。
http://www.nifty.com/support/tty/
ニフティ株式会社は、1987年4月から運営してきた「ワープロ・パソコン通信」サービスを順次縮小し、2006年3月31日(金)をもって終了します。これまで「ワープロ・パソコン通信」サービスをご利用くださいまして誠にありがとうございました。
「ワープロ・パソコン通信サービス」は、現在提供中のインターネットサービス”@nifty(アット・ニフティ)”を1999年に開始した後も継続利用者が多く、運営を続けてきました。しかし、インターネットの普及とともに利用者数が減少している事実を受け、終了させていただくことになりました。
私がニフティサーブのIDを持ったのが1990年だったから、15年間もニフティとお付き合いしてきたことになる。ただし、アクティブだったのは2000年あたりまでで、その後は限られたフォーラム会議室のROM巡回とパティオの運営のみ。そのパティオも2004年5月でクローズさせ、メンバーごとメーリングリストに移った。
ネットワークコミュニケーションの申し子たち、その多くは富士通系のニフティサーブやNEC系のPC-VANという大手パソコン通信サービスの中で育ち、育てられてきた。私もその一人だ。姿の見えない相手、声の聞こえない相手、そんな相手といかにエモーショナルにコミュニケートするか、そのスリルと醍醐味は現実逃避とも自己分析できる別世界で、もう一人の自分を作り上げた。そのバーチャルワールドでは、書き言葉の持つパワーの大きさということも十分に知った。
インターネットの普及でネットワークコミュニケーションのスタイルは大きく様変わりした。ニフティサーブのサービス終了も時間の問題だったが、結構長く持ちこたえたなあという気持ちだ。この3月で全フォーラムが終了、5月にパティオが終了、そして2006年3月31日をもって残りすべてのサービスが終わる。ひとつの時代が確実に終わりを告げた。一緒に時代を歩んできた者にとっては、まさに感慨深いものがある。