15年ぶりに再会した。大きく進化した部分と、当時とまったく変わらない部分と、ひとつひとつのユニットを確かめながら剥き出しの装置を一回りした。今はすべてがMade in USAになってしまったが、この装置の開発に関わった若き頃の思い出は、あちこちのパーツの陰に今なおこびりついているようだった。
この装置が地元の公立病院に導入することに決まったときは嬉しかった。いつか私が発病したとしても、この装置で治療を受けることになるなら本望だ。信頼できる。
今度の日曜日、竣工式と一般市民対象の見学会がここで行われる。開院は5月1日。丘陵の造成地に建てられた素晴らしい病院だ。一足先にエントランスホールを見学。院内にはコウノトリをモチーフにしたオブジェが散りばめてあるようだ。
そのひとつを見つけた。エントランスホールからガラス越しに見える光庭に、ステンレスのモビールが風に揺れていた。
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