コウノトリの郷公園 特別公開


繁殖期を迎える前の、飼育コウノトリが落ち着いているこの時期を選んで、年に1度の非公開ゾーンの特別公開が行なわれる。今年は10月31日(日)~11月3日(水)の4日間。期間中ずっと雨模様だったので訪問者も少なかったようだ。最終日の文化の日も小雨のパラつく天気だったが、賑やかしも兼ねて夫婦で散歩がてら行ってみた。
最初の写真は、公開エリアから非公開ゾーンの谷を望んだところ。

飼育施設である非公開ゾーンは、以前に一度だけ、故池田研究部長の案内で車で入ったことがあった。ゆっくり歩いて施設を巡るのは今回が初めてのことだ。

ケージは目的に合わせて、馴化ケージ、個体ケージ、繁殖ケージに分かれている。それぞれのケージは広さや形状が違う。このドーム型のケージは、ペアが成立した2羽の繁殖のためのもの。そばには、これからペアになるべく雌雄の、お見合いケージもいくつか用意されていた。

最後にある馴化ケージの少し奥に、背の低い簡易の人工巣塔があった。係員の説明で、これが野生種エヒメが今年繁殖を成功させた巣であることを知った。今までマスコミにも公開されていなかった営巣地である。

飼育管理棟には、コウノトリにまつわる様々な展示があった。この写真は飼育コウノトリ1羽の1日に食べる餌を説明したもの。1日に500gの魚を与えている。ビタミン剤も一緒に投与するとのこと。100羽の飼育コウノトリに対し、1日50Kgの魚が消費される計算になる。

孵卵の説明も興味深かった。ビデオでは孵化の映像が流れている。

コウノトリの卵のレプリカ。下の4つが鶏卵であるから、大きさがよくわかる。

帰り際に見た文化館横の西公開ケージ。野外コウノトリも集まってきて飼育種と一緒に給餌時間を待っている。40羽を越えるコウノトリが野外で暮らしているが、給餌に依存している割合が高いことが今後の課題にもなっている。

文化館では、故増井園長を偲んで、ズーラシアの象が描いた絵が展示されていた。どこまで人が関与しているか知らないけど、象が描いたにしては実に見事な絵である。

これが今回のパンフレット(左)と、見学コースで行なわれたスタンプラリーの用紙。(右)
ちなみに、描かれた絵は郷公園の三橋陽子獣医師の手によるオリジナル作品。

スタンプラリーで貰った記念の缶バッジ。スタンプと同じデザインのバッジが用意されていた。
今回初の試みというスタンプラリーは、なかなかよいアイデアだと思った。大人も子供も楽しく見学できて記念のバッジがもらえる。ぜひ来年も続けて欲しい。
往復2.5km、およそ1時間ほどの非公開ゾーンの散策は、天気がよければさらに楽しいものになるだろう。美しく手入れされた非公開ゾーン、その中で手厚く管理されているコウノトリは幸せものである。来年の特別公開には、さらに沢山の人たちにこの場所を見てもらいたい。人に見られることで、施設や働く人もブラッシュアップされるからである。
2010/11/3 D90+SIGMA17-70

0

2 throughts on "コウノトリの郷公園 特別公開"

  1. 兵庫県ご自慢の環境シンボルですので、力の入れようも違います。
    非公開エリアは芝生も手入れされて、公園としても素晴らしい場所です。職員とコウノトリだけではもったいない。

    0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です