宮崎学の新刊、森の写真動物記 6「樹洞」が発刊された。
「穴をテーマにやると、これが面白いんだよね」
gakuさんはこう語っていた。本書は、その最初のサマリーともいうべきものだ。
森の動物たちにとって、樹洞は命を守り育むシェルターだ。穴を開けられた木にとってみれば、傷つけられたというネガティブなイメージしかなかったが、本書を読めばその考えが変わる。木に穴を開ける動物たちは、木にとっての外科医だという。穴が木を癒すのだ。
穴をキーワードに、森の動物と木との絶妙な相互関係が語られる本書は、単一的な生態論には無い森の営みへの新たな気づきを喚起してくれる。
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