素晴らしく晴れた夜になり、再びムツトゲイセキグモに挑戦。3つの卵のうを守る一頭。この夜は粘玉をぶら下げて狩の体勢に入っていた。
音に反応すると粘玉をグルグル振り回す。その動きを画像に残したいと、いろいろ作戦を練った。イメージに近いものが撮れたが、まだまだ習作である。蜘蛛の姿はビシッと決めて、粘玉だけが円周にブレているのが絵コンテ。
最近のLEDライトにはさっぱり虫が寄らない。昔ならがの懐中電灯でしばらく照らしていると、思い通りに蛾が光に寄ってきた。ムツトゲは羽音を感じて粘玉を振り回しだした。するとどうだ。蛾は吸い寄せられるようにムツトゲのもとに飛んで行き、自分から粘玉に絡まって行ったように見えた。
このとき、ムツトゲイセキグモの投げ縄猟のこれまでのイメージが変わった。投げ縄を投げるように蛾を捕らえると思っていたが、グルグル粘玉をまわしているのは、きっとフェロモン物質を周囲に撒き散らすためだ。その匂いにフラっときて近寄ってきた蛾が自ら粘玉に絡めとられるという寸法だ。捕らえられた蛾の様子からして、粘玉は非常にねばっこいもののようだ。ムツトゲイセキグモは、いわゆる匂い付のハエトリ紙をブンブン振り回して餌を捕る。そんな感じだった。
獲物が気に入らなかったせいか、しつこくストロボを焚き続けたせいか、捕らえた蛾を手元に引きつけたあとすぐ、ポロリと地上に落としてしまった。食べるところまで見られなかったのが残念。
ほとんどの撮影時間をムツトゲイセキグモに捧げたが、ちょろっと一回りしてほかの蜘蛛をチョイ撮り。これはトリノフンダマシ。餌の残りカスをもてあそんでいた。
ヤマシロオニグモも獲物にありついていた。
夜露を浴びてじっと待っているコガネグモダマシ。
夜中の0時半も過ぎるころ、三日月がようやく山から上がった。生き物たちの夜露に月が輝いた。
D2X+SP90MACRO
2008/9/22 豊岡市
蛾を捕らえたムツトゲイセキグモ
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興味深い観察です。
クモが網を張る技術は素晴らしいですが、この「投げ縄」テクには更に感心させられます。
トリノフンダマシの網、さらにその上をゆくのが、このクモの粘玉
究極の網だそうだ。
トリノフンダマシの網、さらにその上をゆくのが、このクモの粘玉
究極の網だそうだ。
トリノフンダマシの網、さらにその上をゆくのが、このクモの粘玉
究極の網だそうだ。
蜘蛛の世界はディープで面白いです。
トリフンの「なめんだらげぇ」な条網。さらに突き詰めると、ムツトゲの投げ縄になるのですね。今回の観察で分かりましたが、粘玉は触角の先端近くで形を崩してしていましたが、まるでゼリータイプのアロンアルファのごとく、点接触で着いておりました。
撮影、もう一度くらいチャンスがあるでしょうか。照明が問題ですね。
3枚目の写真を追加しました。粘着の状況を拡大