京都の大学に進学する息子の入学式に出た。ここでは入学宣誓式と称し、主役はあくまでも新入生だった。新入生代表が学長の前で宣誓を行った。
学外のクラシック音楽ホールで行われた式典。観客席がステージをぐるりと囲む。私たちはバックステージの階段席に座ったので、新入生たちの表情を真正面から見ることができた。こんな入学式は初めてである。
学長の挨拶のあと、学生オケによる校歌が演奏され、最後に「威風堂々」が演奏された。指揮者は学内の准教授という紹介だった。いい演奏だった。久しぶりにクラシックを生で聞き、感動した。この大学はいろいろとユニークな校風で知られるが、入学式からそんな雰囲気が漂っていた。
一駅隣のキャンパスを歩いてみる。この先、もう来ることはないかも知れない。何十年か前の自分の姿と重ねようとしてみるが、キャンパスのあちこちに若者のエネルギーが満ちていたあの頃とは違う空気に戸惑いを感じた。今の若者にとって、燃えるものは残っているのだろうか。
銀閣寺近くの哲学の道は満開の桜だった。
撮影:GX100
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