21世紀に入ったが、梨はやっぱり20世紀に限るのである。鳥取県が生んだ世紀の品種。
その出荷がピークを迎えている。天候が順調だった今シーズンは出来もよい。玉も大粒ぞろいだ。
この時期、梨農家である叔父の手伝いをするのが我が家の慣わし。実家の父母と我が夫婦で手伝いに出かけた。
土間に毛布を敷いて、もぎたての梨を並べる。芯を摘んで、目視で選果して、キャップをかぶせて箱詰め。
宅配業者が巡回してきて出荷してゆく。
梨一筋にやってきた叔父もこのところすっかり弱ってしまった。幼少時代の夏休みをここで過ごした私自身も、すっかりいい歳になってしまったのだから仕方ない。人は老いても、20世紀のみずみずしい美味しさは今も変わらない。
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