松葉蟹といえば子供の頃よりセコガニと決まっていて、オスの立派なのは地元民が食べるのではなく、都会の人たちの食材というイメージを持ってきた。今回のお正月、ちょっと張り込んでその松葉蟹のオスを食べに出かけた。香住の友人の紹介で、柴山のまる屋さんへ。
国道沿いに洒落た佇まいの宿の案内が目印。
アプローチの石畳は、埋め込まれた石が塀のブラックライトに照らされてコバルトブルーに光るという演出。なかなか素敵である。
座敷部屋は泊り客のグループの宴が始まっている。離れのテーブル席に案内され、我が家だけの静かな食事が始まった。前菜の重箱は城崎の麦わら細工。一つずつ模様が異なり、ワンポイントで貝殻があしらわれている。わくわく感あふれる最初の演出。
重の中は地元食材を使ったおせち料理。
カニが運ばれて来て、最初は焼きガニ。
酒は銀海酒造の寺田をチョイス。薩摩切子のグラスを自分で選んでちびちびいく。コースターは鏡で、グラスに光の演出。
カニ味噌の甲羅焼き。
刺し身。
氷桶に美しくレイアウトされたカニ。
煮えたカニ味噌に刺し身をディップして頂くと最高。
茹でガニ。
柴山ガニのタグ。
爪と胴体はお鍋で。
仕上げの雑炊。
デザートのアイスクリーム。
2時間半ほどかけて、松葉蟹のフルコースを味わった。長いこと生きてきて、このような形で但馬の冬の定番料理を味わったのは初めてであった。たくさんの皆さんが都会からここに来られ、松葉蟹を楽しまれるそのことを、ようやく理解できた今回のお正月スペシャルディナーであった。
さりげなく素敵な演出と、確かな腕前の調理と、まる屋さんのおもてなしには満足した。我が家のお気に入りのお店が、また一つ増えた。
ご馳走さまでした。
2020/1/4 D500+TAMRON18-400mm
まる屋で松葉蟹を頂く
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