３ヶ月

１０月２０日から３ヶ月が経った。神戸の１月１７日は、但馬の１０月２０日。この日は長く記憶されることだろう。台風２３号が通過した夜、私は職場の事務所で朝を迎えた。あっというまに床上まで浸水し、膝まで浸かりながら事務所を歩いた。少なからずのものを失ったが、大切なものを救うこともできた。長い夜だった。

一夜明けた駐車場。取り残された車の中の一台は私の愛車。載せていた光学機器は夜のうちに退避させたので大丈夫だったが車のエンジンは二度と掛かることは無かった。朝の６時台の写真であるが、奥の変電所に作業員２名の姿があった。夜中の２時過ぎにあたり一帯が停電となったのは、この変電所の設備がやられたからだ。復旧に丸２日間を要した。

水が引いた３日目に撮影した我が愛車。シートの上まで水が来ている。ドライバーズシートの下に制御コンピュータが設置されているので、まったく車の制御は不能になった。このままディーラに引き取られて廃車となった。走行距離２．８万キロ、２年間の短い付き合いだった。
多くの人が甚大な被害を受けた。大切なものを失った。洪水は街を飲み込み、人々の心の中のまで浸水してきた。多くの困難と悲しみを引き換えに、しかし、私たちはサバイバルのための知恵を授かろう。そして次なる困難が襲ったときには、もっと賢く生き延びようと思う。

[:曇りのち雨:]
在りし日の愛車の写真は殆どないのだが、買ってすぐに記念写真を撮ったのが残っていたので忘れないように貼っておこう。