円山川堤外ヨシ原に、秋渡りの旅鳥が入る季節になった。ノゴマが入っていないか調査に出た朝、目の前をツグミっぽい鳥が横切って飛んだ。一瞬ではあったが、どうもツグミではなさそうに思い、しばらく待ってみた。運良く、視界内の木にひょっこり出てきたのは、アリスイだった。
アリスイはキツツキ科の鳥であるが、他のキツツキとはかなり違った生態を持つ。キツツキは木の幹に垂直に止まるのに、アリスイは他の鳥のように枝に平行に止まる。木をツツくことはなく、10cmほどもある長い舌をビロ~ンと伸ばしてアリを絡め取る。
長い首をぐるぐる回して、赤い舌をチロチロ出し入れする様子は蛇っぽく、鳥の中でもなんだか不気味なイメージを与える。学名 ”Jynx torqilla”。この鳥を見ると不吉の予兆だとヨーロッパで言われていることが、ジンクスの由来。
ヨーロッパから日本にかけて広く分布し、日本では東北北部から北海道で繁殖。中部以南の暖地で越冬する。当地では春と秋に旅鳥として観察される珍しい鳥。めったに出会わないが、今回は2日間に渡って、しっかり観察することができた。
2024.10.16-17 D7500+VR300mmF4.0
4+