ヤモリの仔


夜、玄関口から妻が私を呼ぶ声。見れば、下駄箱の鏡と壁の隙間に、尻尾のある小さな生きものの姿があった。全長は4cmほど。生まれて間もないヤモリのこどもだ。
仔ヤモリにとっておそらく、生まれて初めて出会う「警戒すべき相手」なのだろう。大人ヤモリならすばやく移動して身を隠すのに、じっと危険が過ぎるのをその場で待っている。

玄関の明かりを消して、しばらく時間を置いてから再び様子を見に行った。安心した仔ヤモリは、隅に張った蜘蛛の網が目当てなのだろう、天井にへばりついていた。
下から300ミリで撮影。

こちらの気配に再び警戒し、白い天井から黒い桟の中に移動した。黒い背景の中にいるほうが、安全だと判断したのだろうか。
魚眼レンズに交換して接近を試みた。限界距離まできたとき、仔ヤモリは勢いよくジャンプして、下駄箱の隙間に姿をくらましてしまった。さて、無事大きく育ってくれるだろうか。
2011/9/8 D2X+SP90Macro(写真1のみ),VR300F2.8

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