マナヅルがいついなくなるかが気になり、毎朝チェックを行ってきた。この3枚は3月4日のもの。
そして翌3月5日の朝の写真がこの2枚。このときが私の最後の観察日となり、翌日からは姿がなくなった。
越冬コハクチョウの群れも、同じく3月5日の朝が終認となり、翌日からはいなくなった。
さて、マナヅルの後日談であるが、鳥仲間より、この2羽の飛来に関して興味深い情報を得た。雌雄ペアと思われるこの2羽のマナヅル、大きい方の(おそらく)オスの左翼次列風切羽に、白化の2枚が混じっているのが特徴で、この明らかなマークの確認により、同一個体の移動ルートが明らかになったとのこと。
北海道旭川市の8月の観察記録に始まり、石川県や、豊岡に渡来する直前の本年1月終わりには、福井県で観察されていることがわかった。つまりこのマナヅルペアは、北から南下して豊岡にたどり着き、1ヶ月をここで過ごしたということになる。越冬というには短い滞在期間ではあるが、強い寒波の影響で北陸で越冬中の2羽が退避してきたものとも想像できる。
2月27日撮影の写真から、その次列風切の特徴を丸印で示した。非常に明瞭な個体識別マークである。
日本でのマナヅルの多くが鹿児島県出水市で越冬する。今年は高病原性鳥インフルエンザが猛威をふるい、出水市の越冬マナヅルの多くが死亡している。そんな危険を察知した2羽が、早めに出水市を去り、北帰行ルートを東寄りにとって豊岡にたどり着いたのかもと想像していたが、まったく逆の動きで当地にやってきたことがわかった。
また来シーズン、ここを覚えているのなら、2羽でやって来てほしいものである。
2023.2.27, 3.4-5 D7500+VR300mmF4.0