小さなパン屋さん「楽熟」オープン

親しい友人の奥様みっちゃんがパン屋を開いた。
プライベートでは、ときどき彼女の焼いたパンを口にすることがあったが、いよいよ小さな企業家としてスタートだ。美味しいパンを、たくさんの人の口に運んであげて欲しい。

オープン前夜、友人から携帯メールで唐突な開店案内。明日、オープン記念の試食会をするとのことだった。穏やかに晴れ渡った日曜の午後、妻と一緒に竹野町の友人宅へ向かった。
店の名前もこのとき初めて知ったが、思わずニヤリとした。夫婦でやってきた学習塾「楽塾」の名を、そのまま引き継いでいる。「塾」から「熟」へと、人生の熟成度が上がって、このたびのパン屋さんになったのだ。
看板は友人の手作り。彼のアーティスティックな才能は今なお健在だ。「おでんチックだね」と感想を述べると、「そうなんだ。なんか、おでん持って踊ってるようで、楽しそうな雰囲気だら」と笑った。

自宅の広間が試食会場。頑張って焼いたのだろう。いろんな種類の食パンが並べられ、パン屋さんルックのみっちゃんが訪問者に説明をしている。小さな夢をかなえたこの日のみっちゃんは、とっても嬉しそうで輝いてみえた。

ちょうど居合わせた高校の後輩仲間と同席する。どれも美味しい食パンだった。それぞれの食パンから個性が伝わってくる。添える手作りジャムも、素材の持ち味がしっかり生きていて美味。

厨房を見学する。清潔で機能的な仕事場だ。ちょうど友人の職場仲間がお祝いの花を届けに来た。
自分だけの小さな城、みっちゃんはこれからここでどんな美味しいパンを焼いてくれるのだろう。有機農業にこだわり、自然からの恵みをなにより大事に暮らしてきた友人夫妻だから、届けてくれるパンに一切の不安や偽りは無い。ただ純粋に美味しい。それだけだ。

営業案内はこちら。木曜日と日曜日は休業。月・水・金がレギュラー営業日、火・土が注文生産日。食パン主体だが、菓子パンも並ぶ。
小さな町の小さなパン屋さん「楽熟」。　この味が沢山の人に伝わって、やがて大きな夢に育ってゆけばいいと思う。
楽熟
豊岡市竹野町須谷１４８８－１
TEL/FAX　0796-47-1041
※来店は特養老人ホーム「はまなす苑」の下をめざして下さい
撮影：2009/2/8 D90＋VR18-200