寒気が下りてきた。一緒にコハクチョウやマガンといった冬の使者も飛来。いよいよ但馬に冬の足音が聞こえる。夕方の自宅玄関先で、大型の昆虫が這っているのに出会った。オサムシだ。
冷え込んだ外気の中で動きは鈍い。隅っこに頭を突っ込んで隠れたつもりになっていたオサムシには悪かったが、小枝でつついてもう一度出てきてもらった。
持っていたGX100のマクロモードで目一杯大写ししてみたのがこれ。縮小のみでレタッチもしていないから、内蔵ストロボを使ったこのデジカメのマクロ露出制御がいかに正確かがわかる。リコーのデジカメといえばニッチに入るだろうが、生き物撮影好きにはたまらない魅力を持ったカメラだ。
引いたこの写真も縮小のみだ。このオサムシの種名は、昆虫の専門家に写真同定してもらった。オオクロナガオサムシ♀と回答を頂いた。オサムシは似たようなのがたくさんいて識別が難しい。にもかかわらず、写真だけで雌雄の別まで教えてもらったのには恐れ入った。
調べてみると、オオクロナガオサムシはオサムシの中では数少ない幼虫で越冬するタイプ。多くのオサムシが成虫のまま越冬する。とすると、我が家の玄関でヨタヨタしていたこのオサムシは、すでに秋の繁殖活動を終えて、ゆっくり自分の体が冷えてゆくのを感じていたのだろうか。彼女が産み落とした卵は土の中で孵り、幼虫は春までの長い眠りにつく。
それにしても、あらためてオサムシをアップで見てみると、実にバランスのとれた美しい造形をしていることに気づかされる。昆虫マニアならずとも、オサムシのいかにも「虫」らしい姿には、心ひかれるものがあるのではないだろうか。
撮影:GX100
虫の眠るころ
0
> 心ひかれるものがあるのではないだろうか
記事を書きながら、いや、最近の若いのは、きっと『ゴキブリみたい』とキモチ悪がるだろうな、と思った。
昔はあんなにたくさん巷にいた「昆虫少年」は、いまはどこを探したっていない。ときどき見かけるのは、昆虫親爺くらいなもんだ。
おぉ、かっこいいですね〜。
手塚治虫も、名前をオサムシから取ったそうですね。
最近は虫が苦手なヒトが増えて、昆虫コドモは肩身が狭いです。
>「昆虫少年」は、いまはどこ
そうですね、少年はとても少ないですね。
女の子の方が積極的に目を向け、男の子は逃げ出す有様を何度か目撃しました。男の子は発想がオモシロイのでとても残念です。
きっと躾のキレイナ母親のせいでしょうか?
昆虫に目覚めたおばさんでは…ねぇ
相棒が居りませんですハイ
小さいときできるだけ野山に連れ歩いた我が子でさえ、今は虫はあんまし好きではないようです。モノがあふれ、遊びのスタイルが変わり、子供のよき遊び相手であった昆虫たちも、今は見向きもされなくなりました。
元昆虫少年のおっちゃんたちがいろいろアレンジしてやって初めて、こういうものへの興味が子供たちにわいてきます。元来、子供たちは生き物が好きなのに、そのパッションを摘み取ってしまっているのが現代社会でしょうね。そもそも、その子たちの親がすでにファミコン世代だったりするのだから。