引き算の人生


8月8日、また一つ歳を重ねた。若い頃は誕生日は足し算だった。めぐり来るたびに重くなっていった年齢感。
今は引き算の人生を下っている。あと何年、そんな風に残された時間を勘定するようになった。
この写真はおそらく昭和30年のもの。写真好きの父が撮った。学生時代にそのネガを見つけて、自分で焼いたものをパネルにして飾ってある。感慨にふけるためのパネル写真ではなかったが、今こうして眺めてみれば、ずいぶん長い年月生きてきたことを思う。生きてきたというのは奢りで、生かされてきたというべきかも知れない。
この写真を撮った父の喜寿の祝いを先日した。親と子の間は、子供だった頃にはとんでもなく遠い距離に思えた。今は父のすぐ後ろを自分が歩いているほどに、その距離は手の届きそうなところまで縮まったように感じられる。

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2 throughts on "引き算の人生"

  1. かわいー!!! 
    なんていい写真!
    この笑顔は、“大人のたじまもりさんバージョン”で見たことありです!
    私も、たまに実家に帰ると、古いアルバムをひっぱりだして、小さい頃の私をいつまでも飽かずに見ていることがあります。それはとても好きな時間の一つです。
    たじまもりファン度、上がりました。

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