OLYMPUS E-1+NikkorED600mmF5.6
むしむしする季節に涼を運んでくれる鳥といえば、このヤマセミかもしれない。白と黒のシックなカラーリング。水玉模様の羽根は渓流の鳥に似つかわしい。カヌーで下っているとき、目の前をヤマセミの白い影が飛び去ってゆくのを見るのも嬉しい。
ヤマセミファミリーの2週目の観察。前週の場所より上流の堰堤に2羽の巣立ちヒナは移動していた。堰堤落ち込みの淵には昨年の台風による堆積物がそのままだ。1羽はそのゴミ山の上にいた。千切れたツルヨシが山の構成物の殆どであるが、この堰堤の上流にある最奥の小さな集落から流れ出た生活ゴミも結構目に付く。十数戸の村からこれだけのゴミが出るのだから、円山川本流に押し出された洪水のゴミの量は想像を絶する。
DSC-MZ3+TSN-824M
あいかわらずヒナたちは愛想がいい。対岸の路上から大砲レンズを向けてもいっこうに動じない。600ミリでも距離がありすぎるのでデジスコに切り替えた。三脚をかついで路上を普通に動いても、ヤマセミジュニアは定位置のままである。それでもさすがに嫌われて1羽が上流に飛んだ。残った1羽が枝に止まったところを撮影。シャッター速度は1/10秒以下だが、それでもブレないのがデジスコ。
DSC-MZ3+TSN-824M
しばらく見ているうちに、何を思ったかこのヒナ、堰堤の上に舞い降りた。堰堤の端から落ち込みをじっと覗きこんでいる。もちろん魚を追っているわけだが、どうしてもまだ自力でうまく餌が採れない様子だ。ヤマセミが地べたに下りたのを見るのは初めてだ。枝に止まっているときにはよく見えない爪先まで観察できる。彼らの足指は、後指の第1趾があって、前の3本は癒着していてばらばらには動かない。つまり枝に止まるという機能しか果さないように足指が進化(退化?)している。
餌採りを諦めたヤマセミは、先に上流に上がってキャラ・キャラと鳴いているもう一羽の元へと飛んで行った。
2005/7/10撮影
涼しい鳥
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