このアルバムのリリースは、ネットサーフィン中、つい最近知ったばかりである。玉置浩二ファンはもとより、非常に評価の高い作品で、サンプル音源を聴いてすぐに購入を決めた。私の玉置浩二CDライブラリは、1993年の「カリント工場の煙突の上に」に次いで2枚目になる。「LIVE 旭川市公会堂」は、2015年のライブツアーの最終日の収録であり、玉置の故郷旭川市でのパフォーマンスである。
「カリント」は玉置の私小説的アルバムで、故郷や家族を強く思いながらの、かなり内向的な作品であったけど、「花咲く土手に」という素晴らしい作品に惹かれた。「カリント」から22年が経過して旭川でパフォーマンスする玉置浩二は、精神的にも開放されたのだろう、実に伸びやかなボーカルを聴かせてくれる。全15曲を収録したライブアルバムは、アコースティックでシンプルなバッキングに、玉置浩二のボーカルが際立って美しい。多くのレビュアーがネットに書き込んでいる通り、ほんとうに素晴らしいボーカルを聴かせてくれる。日本で、最高の男性ボーカリストの一人といって間違いない。年齢を重ね、人生を重ね、玉置浩二の歌が熟成され、私たちの心を揺さぶってくれる、そんなライブアルバムである。ぜひ聴いてみてほしい。
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