晩夏の京都祝会


京都に集った我が子たちからもらった2つの花束を、帰宅後、自宅の庭に持ち出して記念撮影した。左が私の、右が妻の花束である。

8月最後の週末、我が家の家族全員が京都に集まった。長男夫婦、といっても実質長男の嫁さんが、今回の祝会のメインアレンジをしてくれての集いである。嵐山の渡月橋のたもとにある渡月亭は、明治30年創業の老舗旅館。嵐山に温泉が出ていることを今回初めて知ったが、するっとした肌触りの気持ちの良い湯だった。

私の還暦祝いに加えて、ちょうど妻の誕生日が重なっての、二重の祝会となった。お約束の赤いちゃんちゃんこを着せてもらい、バースデーケーキのロウソクの火を夫婦二人で消した。

料理はどれも上品で美味しかった。

初物の松茸もいただく。

子供と孫のメッセージ入りの写真額をプレゼントされ、家族全員そろっての楽しい時間が過ぎていった。

宴会がお開きになった後は、酔い覚ましの散歩に出る。宿を出たところが渡月橋。

夜の渡月橋は、このようなイルミネーションで飾られている。

右岸には高級リゾート「星のや 京都」専用の船着場がある。ここで船に乗って上流の宿に向かうという、浮世離れの演出である。いつか、ここから船に乗ってみたいものである。

翌日は、京都生活が長い娘婿のガイドで動く。天龍寺の境内駐車場に車を置き、嵯峨野散策に繰り出す。

野宮神社から北へ竹林を抜ける。人力車が観光客を乗せて走ってゆく。

JRの「そうだ京都、行こう。」のCMにも使われた常寂光寺をめぐる。今の時期は観光客も少なく、庭の緑を静かに楽しむことができた。

トロッコ嵐山駅に出て、初めてのトロッコ列車に乗り込む。私が子供だった頃は山陰本線として使われていた旧路線を、観光用に転用したものである。付け替えられた新線はトンネルばかりでつまらないが、トロッコ線は保津川を眼下に望みながら20分の景観が楽しめる。
嵐山を出て最初のトンネルを出たところで、列車は一旦停止する。対岸に見える「星のや 京都」の案内が流れるのは、企業とのタイアップかもしれないが、「いつかここで」の夢を見てもらう演出なのだろうか。

進行方向右側に保津川を見下ろすと、急流の中をラフティングボートが下ってゆくのが見える。この日は水量が多く、保津川下りの観光船の運航は中止となっていた。

亀岡駅でとんぼ返りのトロッコ列車の旅を終え、天龍寺北の長い竹林を下って境内に入る。1時半に予約を入れてあった、境内の精進料理店「篩月(しげつ)」でお昼を頂く。宿のご馳走の後で、精進料理のさっぱり感がうれしかった。

食後は、天龍寺境内の広い庭園を散策する。

長男夫婦と孫が先に帰り、残った家族で甘味茶屋で一服。子供たちを駅まで送り届けたあと、また夫婦二人になった車で帰路についた。
5年前に亡くなった父親の還暦祝いで家族が集まった頃、60歳は遠い先のことのように思えた。自分が今その歳を迎えてみると、過ぎた時間はほんとうに短いものだったと感じる。子供が、そして孫が、同じ道をこれから辿ってゆくだろう。家族というものを、それぞれがしみじみと思ってみる集い。古い日本の慣習は、その大切さを確かめ合うマイルストーンだ。辿りつくたびに年寄りは老の準備を積み重ね、若いものは古きを学ぶ。そんな大事な機会である。
今回の祝い事に、たくさんの祝福をくれた家族たちに、心から感謝します。
2014/8/30-31 D7000 京都

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2 throughts on "晩夏の京都祝会"

  1. グルメと緑の祝会、おめでとうございます。トロッコ列車、いつか乗ってみたいものです。

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  2. zunさま
    ありがとうございます。渓谷の列車旅といえば、ヨーロッパアルプスを連想しますが、京都の中心から実に手軽に雰囲気を味わえる点で、トロッコ列車は楽しいものです。片道620円の運賃です。

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