この3月の友達夫婦との丹後旅行で、天の橋立の籠神社(このじんじゃ)に立ち寄った。丹後の元伊勢と呼ばれる格式高い神社である。元伊勢と呼ばれる神社は丹後と伊勢を繋ぐラインに数多く存在し、天照大神の彷徨の伝説を物語っている。
福知山市大江町の皇大神社(こうだいじんじゃ)も元伊勢と呼ばれる神社で、初詣や厄払いで賑わう神社。かねてから一度行きたかったが、今回初めて訪問する機会を得た。
ナビが教えるマニアックな山道を抜けて神社の駐車場に到着。500円のセルフで、料金箱に自己申告でお金を入れる。もちろん誤魔化すことだってできるが、バチがあたるという鳥居シンボルの威力は大きい。ちゃんと規定料金を払って歩き出す。看板を見ると、皇大神社とは別に天岩戸(あまのいわと)神社の案内がある。こちらにも寄ってみることにする。
長い石段を上がるにつれ、小雨も上がって傘が荷物になった。雨上がりの空気が、山に向かう参道をしっとりと包んで気分がよい。
山門手前に由緒正しい杉の大木がスクっと天を突いて立っている。
その横に「真名井の池」と銘のある水場。籠神社の奥にも真名井神社があった。真名井とは神聖な水の意味があるらしいから、天照大神伝説とセットで存在する意味も頷ける。
すぐ上が境内という場所に、厄神さんの大元と案内のある小さな祠がある。なんでも大元が有難いのだ。石で叩くと金属音のするテーブル岩がある。カンカンと本当に金属の音が出る。
石段を上ること15分で皇大神社境内に到着。暇そうな札売り場の係員がお巡りさんと世間話を続けている。参拝者は我々夫婦だけ。ゆっくりお参りできる。
祀ってあるのは天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)とある。女帝の太陽神だ。アマテラス神話に関しては興味ある人は検索で調べてみると面白い。
この神社の特徴の一つは黒木鳥居。皮付の杉でできた鳥居で、私は初めて目にした。杉の木が、太古の昔から霊木として大事にされてきたことがここでも分かる。
本殿の隣りにはこんな杉の大木も立っている。推定樹齢2000年と書かれているが、枯れて倒れる寸前の様子だ。
お参りを済ませ、ここから車道を下って天岩戸神社へと向かう。途中、谷越しに岩戸山(日室岳)を望む遥拝所がある。天の岩戸伝説の山は美しいピラミッド形状をしており、禁足地となっている。この遥拝所、一願成就のパワースポットになっているようだ。
10分ほどの歩きで天岩戸神社に着く。渓流沿いの石段は雨上がりで実に滑りやすい。梅雨の雨を集めて渓流は豊富な水を勢いよく流していた。
さて、お参りするのに、ここは鎖で一枚岩をよじ登らなくてはならない。雨でよく滑るから、なかなかのスリル感である。ローヒールの靴で妻は果敢に上り下りしてお参りを済ませた。
妻に続いて私も上ってお参り。上からの景色を撮り残す。天の岩戸伝説が宿る、霊験あらたかな気分の場所であった。ここから車道を10分下って駐車場に戻る。この周回は変化があってとてもよい散策コースであった。思いのほか素晴らしい場所に夫婦満足。
三社巡りの案内があった。内宮皇大神社、天岩戸神社を参った後、戻り道で車で5分ほど離れたところにある外宮豊受大神社(げくう・とゆけだいじんじゃ)に立ち寄る。ここも立派な神社であるが、皇大神社を見た後ではスケールの違いを感じる。
ここにも、同じ名前の大杉が立っていた。樹齢1500年だそうだ。
自宅までの帰りルートは国道9号経由で。距離は大回りになるけど、時間はこちらが早そうだ。空いていたら寄ろうと思っていた沿道の鯛焼き屋、店の外まで列が伸びているのを横目で見てパス。
梅雨で鬱陶しい日曜日に、充実した時間を過ごすことができてよかった。
2012/7/8 D90+SIGMA10mmFE
元伊勢三社巡り
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