息子と秋の里山徘徊

10月連休で帰省した息子と二人、春の里山徘徊に次いで秋の里山を一緒に歩く。崩れた天候の回復が早ければ氷ノ山でもと思っていたが、雨の心配がなくなった日曜日午後からの山は、自宅から歩いて登る標高201mの三開山へ。

獣除けの金網フェンスを抜けて竹薮に入ると、7月に見たサンシチソウがまだ咲いている。シカの声を聞きながら、雨でぬかるんだ道をゆっくり上がる。人が入らない山は急斜面で道が不明瞭となり、いつしか獣道を辿っている。

ふと見上げると、直径30cmはあろうかという白い玉が二つ目に入った。ホコリタケ科のオニフスベである。

盛りを過ぎた老菌で傷んでいたが、その存在感は圧倒的である。触ると、水を吸ったスポンジのような、なんともいえない気持ち悪さ。少し離れて3個目のオニフスベが、こちらはかなり崩れて転がっていた。
湿った雑木林には新鮮なキノコが目だった。名前を調べる元気がないので、とりあえず写したものを並べておく。




尾根筋で見つけたこの下あごの骨はシカのものだろう。

山頂直下、足元から飛び出たアカガエルはバッタを咥えていた。

最近太ったせいで山登りがキツくなった。一頃より10Kgも増えたのだから、それを支える足腰がそれなりに鍛えられていないといけないのに、体重だけが増えているのだからタチが悪い。今より少なくとも5Kgは減量したい。
山頂は少し強めの風が吹いていた。ベンチで熱い紅茶を入れ、息子が土産に買ってきた饅頭をおやつに食べる。足元に広がる六方田んぼ。市街地を分かつ円山川と、その先には来日岳567mがそびえる。

ふと思いついて田んぼを巡回中の仲間に携帯コール。頼んで下から600mmの望遠で撮ってもらった山頂の我々がコレ。ま、なかなか撮れない記念ショットとなった。
ちなみに、ひとつ前の鳥瞰写真で画面下部、田んぼの中の交差点の右側に止まっているのが、この写真を撮影中の仲間の車である。計算すると直線でおよそ2.5kmの距離となった。

東尾根を下山する。小学校に続くこの道を使うのは、ずいぶん久しぶりのことだ。広葉樹林の西斜面に比べ、植林地の多い東斜面は魅力に欠ける。山全体にいえることだが、竹が山頂直下まで迫ってきている。手入れがされない里山は、こうして竹に飲み込まれてゆくのだ。

東向きに下りたもう一つの理由は、この日、山麓のため池で生きもの調査が行われており、その様子をチラっと覗いてこようという魂胆だった。池の位置関係は頭に入っていたので、その方向に続く踏み跡を辿った。初めて通るルートだったが、ドンピシャで池の前に飛び出た。
池では、胴長の研究者が網ですくった水棲昆虫を調べていた。少し下った別の谷から再び山に入り、先ほど逸れた登山道に戻ってから小学校裏に下山した。かなりくたびれた里山周回だったが、幼い頃に連れ歩いた息子が成人し、同じ地元の里山を一緒に徘徊できたことは感慨深い。歩きながら、当時の思い出話に花が咲いたのは、いうまでもない。
2010/10/10 D90+SIGMA10mmFE, SP90MACRO

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2 throughts on "息子と秋の里山徘徊"

  1. 何とも、圧倒的ですなぁー。羨ましい!!。こちらは10Cm級のヤツでいじけてしまいました。オニフスベというにはおこがましい。いっそ中から何ぞ出てくれば...と願いましたが、それも虚しい。

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  2. 見つけたときはオオって声が出ました。初めてではないと思うけど、記憶に残っていないほど久しぶりのオニフスベだと思います。

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