イワギリソウの自生地を久しぶりに訪れた。兵庫県レッドデータブックAランクの希少種。イワタバコ科の植物らしい、湿った岩壁に着生する。漢字で岩桐草。岩に咲く(葉や花が)キリに似た感じの草、ということだ。
花のクローズアップ。細かい毛に覆われており、その可憐な姿は園芸家に人気がある。野性ランと同じ宿命を持ち、自生地がその手の人に知られないよう情報制限されている。
垂直に切り立った岩壁に、へばりつくように咲く。シカなどの食害からは守られるものの、人という最大の脅威からは逃げられない。人知れず、そっと、森の片隅に咲き続けていて欲しい、雨の季節に美しい花である。
2009/6/13 D90+VR300F2.8×1.4, GX100+魚露目8号
0