二人の友


こちらに戻ってきてまもなく、JETプログラムで派遣されたALT(当時はAET)たちとよく遊んだ。いつも明るく、物怖じしない彼らとの交友は刺激的だった。Jとはとくに仲良しになった。山歩きやカヤッキングが好きで、ピアノが上手かった。パーティがあると必ずJのピアノが披露され、聴衆はうっとりその演奏に耳を傾けた。
そんな彼が母国に帰ってずいぶん経った。結婚し、二人の子供も授かった。そんなJが、家族を連れて但馬に戻ってきたのだ。Jが我が家に最後にステイしたのが9年前。今回の集まりの前日に誕生日を迎えたJは、さすがに年相応といった、あるいはエグゼクティブとしての、貫禄を漂わせていた。しかし、相変わらずの変な大阪弁や、お茶目なウィンクはそのままだ。
Jがいなくなったあと、同じくALTのGとよい友達になった。GはJとはタイプは違えど、スポーツマンで音楽はプロだ。ピアノの即興や弾き語りは圧倒的にうまい。JとGは私たちの中で特別の存在であり、ベストフレンドだ。Gは次の仕事が決まり、来月には但馬を去ることになった。
家族を連れて9年ぶりに戻ってきてくれたJ、これから新しい道へと向かうG。私たちとって特別なこの二人のツーショットを撮ることの喜びをしみじみ感じながら、しばしの歓談の時間をすごした。持つべきはよい友である。そのことを今改めて実感している。

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