30年前の記憶

車で梅田に出た帰り道、国道176号で淀川を渡り十三。道なりに北進するうちに懐かしい地名に出会った。庄内。次の駅は服部だ。
30年前、2年間ほどここの文化住宅で暮らした。文化住宅とは、まあ、単なる長屋形式の2階建てアパートのことであるが。


国道を西に逸れ、阪急服部駅へ。懐かしい風景だ。駅舎周辺は昔の面影のまま残っていた。踏み切りの向こうのパチンコ屋はたまに寄ったけど、勝ったためしがなかった。その奥には定食屋があって、よくお世話になった。当時は歩きだった道は、車で走るとずいぶん狭い道だった。口座のあった銀行はまだ潰れずにあった。銀行の名前は変わったかも知れない。
商店街を過ぎると農地だった場所は住宅地になっていた。高校の前に一軒のお店があって、その裏手に文化住宅があった。高校は近代的な建物になって存在していたが、お店は無かった。その並びにはおなじような集合住宅が立っていた。近所の薬屋もなくなっていた。

突然、飛行機がおりてきた。これは30年前と同じ音と光景だ。滑走路の進入域にあたっていて、石を投げれば当たりそうな低空で飛行機が下りてくる。当時はエアコンなど無かったから、昼間は住めたものではなかった。学生だったから、夜、寝に帰るだけの暮らしは、それほど苦痛ではなかった。
当時は別の大学に通う妹と二人で暮らしていた。今の子どもたちには考えられない暮らしぶりなのかも知れない。私も妹も、それぞれの人生を折り返して生きている。青春は、思い出すたびに甘酸っぱい。
写真:Coolpix P4 (2番目の写真は同乗の息子の車内撮影)

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