北陸ドライブ旅行(3)?能登へ?


ナビに導かれ、「のと里山海道」を海沿いに北上。途中、「千里浜なぎさドライブウェイ」に寄り道して、波打ち際を車で走ってみる。センターラインも標識もない、ただの砂浜の上を走行できる日本で唯一の公道である。下回りは塩害コートを施してはいるものの、ここで新車を走らせるのは気が引けた。まあ一度限りのお楽しみと割り切る。
シギ・チドリに会えるかもしれないと望遠レンズを積んできたけど、浜茶屋の近くをうろつくカモメを見たくらいだった。

里山海道は快適なドライブウェイだ。その名のとおり、里山を縫って走る海の道。谷が開けて見え隠れする能登の里山風景は、稲の葉が緑のじゅうたんとなって広がっている。但馬でも変わらない風景が見られる季節であるが、里山がちゃんと里山らしい姿を保っているところが印象を違えて見せているのだろう。但馬の里山はシカの食害で茶色い斜面が続く。
村々を流れる川の美しさも、今回の能登ドライブで感じたことの一つ。先般のNHK小野泰洋プロデューサーの講演会で、能登には日本の原風景が残っているとプレゼンされたが、たしかに、今の但馬に比べると、里山の純度が高いように感じた。
写真は、途中のパーキングエリアの展望台。東に七尾湾が遠望できる。

この日最後の立ちより先はここ。世界農業遺産指定「能登の里山里海」を代表する棚田、「白米(しろよね)千枚田」である。メディアではすっかり有名になったビューポイントであるが、但馬や丹後の棚田の美しさを知っている私たちにとっては、さほど大きな感慨もなく眺めた。

西の海辺から東の海辺へと、地道で能登半島を横断する。約1時間のドライブで、今回の旅の最終目的地である民宿「ふらっと」に到着。

名物女将に勧められて、食事前に野天風呂と洒落込む。七尾湾を眼下に眺めながら、ロングドライブの疲れをほぐす。周りの林では、ゼフィルス(ミドリシジミの仲間)が一斉に占有行動を始めており、何頭もの卍飛翔を目の前で見せてくれた。肉眼での種の同定は無理だったが、とても密度の濃い生息地だった。

18時半から夕食が始まる。板張りの大広間に、3組の泊り客がそれぞれのテーブルを囲む。地ビールのピルスナーで乾杯。

暮れなずむ海を眺めながら、オーストラリア人シェフ、ベン・フラットさんのイタリアンを楽しむ。いくつかの料理には「いしり」と呼ばれる魚醤が、効果的に隠し味として使われている。ふらっと特性の「いしり」を、お土産に求めた。

今回のコース料理のすべて。どれもがオーガニックで、素晴らしく美味しい。

イタリアンにはワインが定番だけど、やはり地酒は外せない。というわけで、2種類の地酒を楽しんだ。

食事が終わって、別グループとの交流会。女将やシェフを交えて、楽しい会話が続いた。

朝のダイニングテラスの風景。

囲炉裏ではヘシコと海餅(かいべ)が炙ってある。

朝食はシンプルでヘルシー。

朝の光で、エントランスのアプローチを撮っておく。親しい人と一緒に、きっとまた訪れたい。
「ふらっと」の情報はこちらから
「ふらっと」からは一路我が家を目指す。途中、もう一度金沢に寄り道して、金沢駅でお土産を求めた。高速に乗る前に給油。満タン法でリッター21キロの燃費だったから、インパネの表示値とよく一致した。3ナンバーの四駆車で、これだけ走ってくれたら言うことはない。乗り心地に関しては、シートの長さが短い分、脚の余計な部分が疲れた。あとは、アクセルペダルの反力を電子制御しており、こいつのおかげで右足首が疲労した。また、高速走行でのロードノイズがやたら大きく、一般道走行の静寂性とのギャップを感じた。ま、そんなところがVEZELのインプレッションであるが、全体として、とてもよくできたスマートな車だと感じた。
舞鶴若狭道が全面開通し、敦賀ジャンクションで北陸道とつながる。便利になり、今回の北陸ドライブ旅行も苦労なく行って帰ってこられた。また、東京から金沢まで新幹線がつながり、たくさんの人たちが北陸を訪れるようになった。便利さと引き換えに、失ってゆくものも少なくないだろう。失くしてはいけないものはしっかり守っていってほしいと願う。
旅の終わりのカーオーディオは、いつもWong Wing Tsanを流す。ゆったりとピアノの音色に包まれながら、薄暮に我が家が近づいてきた。

2015/7/2-3 D7000+SIGMA10-20

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