七夕の夜は地元の奥山林縁でヒメボタルを観察した。シーズンも終わりがけであることや気象条件の影響もあったのだろう、数が少なくて少し残念な気持ちだった。ヒメボタル撮影モードにスイッチが入ってしまったので、翌日の夜には綾部の友人にガイドをお願いして、最近になって知られるようになったヒメボタルの大きな生息地にお邪魔した。
ちいさな雨雲が通り過ぎ、ときおりパラっと雨粒が落ちるものの、ヒメボタルの発生には絶好のコンディション。雲が過ぎると杉林の上に星が瞬き、おぼろ三日月が上がった。口コミで有名になりつつあるヒメボタル生息地には、10人ほどのカメラマンが思い思いの場所で三脚を立てていた。トップの写真は、20時10分ごろのカット。斜面を流れる、まさに森の天の川。とても幻想的な風景に静かな感動が湧き上がる。
トップ写真より少し前の時刻のカット。杉木立を通して空の明かりが透けて見える中、林床ではヒメボタルの明滅がゆっくり動いて行く。キョキョキョ…とヨタカが鳴き始めた。
20時20分ごろのカット。この時間帯がピークとなり、その後はゆっくりとヒメボタルの拡散が広がって明滅もフェードアウトして行く。
上と同じ写真をトリミングしたもの。レンズ前から奥の方まで、多くのヒメボタルの明かりが広がっている。
このポイントは、1週間前が発生のピークだったとのこと。毎日観察に来ているとおっしゃる地元の方によれば、日に日に数がどんどん減って来ているらしい。少なくなったとはいえ、これだけのヒメボタルが美しい林床の上を飛び交う様は、十分に幻想的な光景であった。次回が叶うのなら、発生のピーク時に再訪してみたいと思う。
夜遅くまで付き合って頂いた綾部のKさん、今回のご案内ありがとうございました。
2019/7/8 京都府綾部市 D500+DX35mmF1.8
ISO4000、F2.5/30秒、比較明合成5回
森の天の川
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