淡路3年とらふぐサプライズ旅行


17年ぶりの淡路旅行である。幼い子供たちと、瀬戸大橋から四国に渡った正月旅行の戻り道、淡路の水仙郷を訪ねた。今では、娘と長男はそれぞれよき伴侶を得た。今回の旅は、区切りの年を迎えた妻への子供たちからのプレゼント。私から娘に話を持ち掛けて企画がスタートした。妻には、夫婦旅行ということで話を進める。娘が作ったフェイクのペア宿泊券が届いたが、どんな宿か調べることもなく、実は宿の名前すら淡路に着くまでよく把握していなかった。すべては、子供たちのプロデュースにお任せである。私の役目は、妻にバレないように、機嫌よく宿までエスコートすること。
お昼を山陽道のSAで軽く済ませ、久しぶりの淡路海峡大橋を越えて淡路夢舞台に到着。淡路花博の会場となった広大な施設は、今回の初訪問で安藤忠雄氏の作品と知った。地下駐車場から「奇跡の星の植物館」へ向かう長いコンクリート打ちっぱなしのアプローチは、まさに「An Tada」である。

エスカレーターで植物園の上階まであがり、空中回廊を歩く。眼下のセンターガーデンでは、ちょうど結婚式を終えた新郎新婦が退場するところだった。

最初の展示室はサボテン。土壁アートは地元淡路出身の左官職人、久住有生氏の作品である。友人のN邸の内装も久住さんの手による土壁で、その名前は前からよく存じ上げていた。

トロピカルガーデンは南国ムード。

久住さんの作品が、効果的にいろんな場所で植物とコラボしている。

こちらは和庭園のコンセプト。

淡路瓦を使ったアートも素敵である。

センターガーデンはクリスマスモード。

最後はシダの森を抜ける。

植物園は思いがけず素敵な演出と空間で満足した。屋外を散策しながら、この施設がまさに安藤忠雄ワールドであることが実感されてくる。コンクリート打ちっぱなしの迷宮のような入り組んだ複雑な構造体。自然の中の異空間は見るものを圧倒するが、好き嫌いがはっきり分かれるランドスケープだろう。

約束は16時だったが、30分ほど遅れて宿にチェックインした。受付スタッフも、部屋まで案内してくれた仲居さんも、すべてが今回のサプライズの協力者であった。夫婦で宿泊というストーリーを、最後の最後まで演じてくれた。部屋に通され、仲居さんが襖を開けた瞬間、妻の顔が大きく緩んだ。「やあ!」と子供や孫たちが手を振って笑った。
ネタばれの後は、久しぶりに全員が揃った家族の時間を過ごす。夕食前にゆっくり温泉に浸かった。露天風呂の真下に海があり、防波堤の釣り人のシルエットが刻々と濃くなっていった。

夕食が始まる。

この日の献立。

これが噂の3年とらふぐである。淡泊な白身をてっちり鍋で頂く。

淡路牛のステーキ。柔らかくておいしい肉だった。年寄りにはこれくらいの量で充分。

てっさ。この宿で出すふぐは、3年養殖の1.5Kg以上のものしか使っていないと、仲居さんが説明してくれた。養殖業者の認証書まで付けられていた。
サプライズの後の、楽しく美味しい夜が過ぎて行った。

夜が明けた。東向きの露天風呂から、朝日が昇るのを眺める。大阪湾を隔てて対岸は泉南から和歌山方面が遠望できる。

朝食は適度な量で美味しく頂いた。

朝が始まり、光芒が海に落ちる風景を窓から眺める。

チェックアウト後、長男ファミリーは自車で。我が家の車の後部座席には娘夫婦と次男。午前の訪問地にナビをセットする。

山の上に広がる県立「あわじ花さじき」に到着。無料で散策でき、子連れの家族にも適当な花の公園。今回は霞んでいたが、好天時には眼下に広がる海の風景も綺麗だろう。
子供たちがネットでチェックしてチョイスしたランチレストランに向かう。途中、県立淡路景観園芸学校の洒落た学舎の前を通過した。

山を下りた海岸沿いに、ミエレというイタリアンがある。口コミ評判どおり、抱負なメニューと上手な味付けのイタリアンだった。

一品づつ違うオーダーをして、みんなでシェアしながら食事を楽しむ。オープンデッキの食事スペースは、これからのシーズン、年寄りには海風が堪えるだろうが、ブランケットを膝に掛ければ、若い人たちにはどうということもないのだろう。次々にグループが入れ替わり席を埋めてゆく。アルバイト店員がせわしげにオーダーを処理するが、私たちのテーブルにもオーダー漏れがあって、このあたりの処理システムがうまく回れば、さらに店の評価もアップするのにと、少し残念な部分も見られた。

食事を終え、長男ファミリーとはここでお別れ。残りのメンバーは神戸マラソンで賑わう三宮界隈に繰り出し、スイーツと買い物を楽しんだ後、新神戸駅で3人を見送った。
淡路の3年とらふぐが食べたいと常日頃から口にしていた妻には、子供たちからの思いがけないプレゼントとなった。今回のサプライズ旅行を、中心となってアレンジしてくれた娘夫婦には特に感謝をしたいし、この日のためにそれぞれのスケジュールを調整して集ってくれた家族すべてに感謝、ありがとう。心に残る楽しく美味しい、家族の記念旅行になった。
2016/11/19-20 淡路島 D500+SIGMA10-20, VR18-200

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