山の上はミゾレまじり。殆ど実を落としたハギに1羽のオオマシコを見つけた。 色の薄い若♂である。昨年の晩秋に別のエリアでオオマシコ若♂を確認したと きも単独個体だった。アクロバティックなポーズで実を食べる。ほどなく左か らルリビタキ♀が入ってきて、オオマシコは追われるように林の中に逃げ込ん で、それきり姿を見せなくなった。 下山途中、タニウツギの実にウソが付いているのを撮ろうと路肩に入るも、あ えなく飛ばれてしまった。「キョッ・キョッ」の声の方を見上げると、斜面か ら大きく張り出した幹にオオアカゲラが動いていた。すぐに飛んでしまった。 六方川沿いのマヒワがよく目につく。チィチィと細く鳴いては集団で河原の枯 れ草に群れている。ツグミやカシラダカの群れも観察できる。 川面にはコガモ、マガモ。「おっ!」と目に留まるものが居た。バンである。 成鳥冬羽だったが、2004年の台風23号洪水以降、六方川から完全に姿を 消してしまった種だったので、その後の経過を気にしてきた。実に6年ぶりの 六方川のバンである。この日、同じエリアで観察していた仲間も2羽のバンを 確認したと言っていた。六方川のバン、復活である。 このエリアを縄張りにするノスリ、顔黒の成鳥。コハクチョウは4羽で湛水田 で過ごしている。マガンはいなくなったが、代わりに亜種ヒシクイ2羽が六方 田んぼに入った。警戒心が非常に強く、200m離れてもレンズを向けただけ で飛んでしまう。 夕方、六方田んぼに虹*が架かった。堤外のヤナギにハイタカ若を見ながら、 観察を終了。夜間観察会の会場へと向かった。 【撮影データ】 18/Dec/10 豊岡市 D90+VR300F2.8,*SIGMA10mmFE |