この時期、山へ向かうモチベーションは名残りの夏鳥を求める以上に、虫に会 いたい。とくに、ミドリシジミ(ゼフィルス)のハイシーズンにあたっており、 メタリックな翅の輝きにレンズを向けたい。 前回キスジアシナガゾウムシを撮ったのとまったく同じ場所で、少し大きめの ゾウムシを見つけた。マダラアシゾウムシ(トップ写真)だ。ノアザミの葉上 にいたところを魚露目で迫ってみた。脚のマダラ模様がお洒落。大きな目と立 派な口吻が魅力的だ。背中*はゴツゴツとコブ状で、樹皮に止まったときの擬態 に役立つ。寄り過ぎてポロリと地上に落ちて観察終了。 ゼフィルスのポイントにはお昼に到着。蒸し暑さの中、お湯を沸かしてカップ 麺の昼食とする。目の前にミズイロオナガシジミが止まった。開翅した表側は 地味な色である。 この時期のレギュラーヒメウラナミジャノメ。ムラサキシジミも新鮮な個体を 撮ることができた。 カシワの葉上ではハヤシミドリシジミが休んでいる。夕方の活動時間になるま でこのようにじっと翅を閉じたまま過ごす。このハヤシミドリシジミは近い距 離で見つけた。300ミリで離れて狙っていると年配のカメラマンが無遠慮に 割り込んできて、私の前に脚立を立ててマクロで撮り始めた。マナー知らずの 輩は鳥見の世界に限ったことではないらしい。気分悪く、その場から離れた。 道端の低い位置にハヤシミドリシジミ♀を見つける。開翅した表側は地味色。 寄れそうな状況だったのでレンズを魚露目に換えて迫る。マクロレンズの図鑑 写真ではないこういう写真が、目下の私のテーマである。 ゼフィルスの活動時間が近づくと、観察者や採集者の数もどんどん増えてきた。 こうなると落ち着いて相手と対峙することもできないので、さっさと山を下り ることにした。 【撮影データ】 10/Jul/10 D90+VR300F2.8,*DX35mm+Gyoro8 |