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ハイチュウ

ハイイロチュウヒ
ハイイロチュウヒ♀ (タカ目タカ科/Northern Harrier)
雪が降ると猛禽が目につくようになる。コミミズクもそうだが、ハイイロチュ
ウヒも雪のときが出会いのチャンスだ。雪で自身の身を隠す場所がなくなる代
わりに、餌となるネズミや小鳥を狙いやすくなる。

河川敷でパトロール中のハイイロチュウヒ♀と出会った。ゆっくりとV字飛行
をし、獲物の気配を感じると急降下しては舞い上がる。ハイイロチュウヒは数
は少ないものの、茶色のメスは毎冬のように当地に飛来する。鳥仲間が待ちこ
がれるのは灰色のオス。こいつは「珍」の部類で、全国的にも飛来が稀。
私自身、2002年11月の初観察以来、7年間の御無沙汰である。

さて、捕捉中のハイチュウ♀、下流に向かって右岸と左岸を行ったり来たりし
ながら飛んでいる。私のいる側にパトロールを移したときがチャンス。少し先
回りしてレンズを構え、真下を過ぎる瞬間を狙った。

羽根色は地味であるが、腰の白が最大のアピールポイント。頭部の形が独特で
その形状はコミミズクに似ている。餌を見つけたらしく攻撃態勢に入ったが、
すぐに諦めてパトロール飛行に戻った。突然、提内からハヤブサが飛んできて
ハイチュウ♀と絡んだ。ハヤブサのテリトリに入ったらしい。パトロールを中
断し、一旦空に高く上がった。尾羽も広がって、下面の模様がよくわかる1枚
となった。

パトロール飛行に疲れると、河川敷の枯れ草の中に着地して翼を休める。
このカットは下りたあたりを見ていたから探し得たが、こうしてじっとしてい
れば、まず見つけることは難しい。コミミズクも同様なカムフラージュを行う
が、頭の形、飛び方、採餌スタイル、地上でのすごし方、いくつかのポイント
でハイイロチュウヒとコミミズクに共通点を見出す。進化論的にはタカ科とフ
クロウ科の中間に位置するような猛禽ではないかと思って見ている。

【撮影データ】 20/Dec/09 豊岡市 D90+VR300F2.8