ハリアーの話をしたが、正確に書くとチュウヒの英名は"Asian Marsh Harrier"。 「アジアの湿地性のハリアー」といったところだ。今回のハイイロチュウヒの 英名は"Northern Harrier"。「北方のハリアー」という意味。 チュウヒのテリトリは主に河川敷のヨシ原。ハイイロチュウヒは乾いた田んぼ がお好きなようである。どちらも、主な餌は野ネズミ。 とある田んぼで、少し遠方を先端の黒い灰色の翼が羽ばたいた。最初はアオサ ギかと思ったが、地上に下りたところを100mの距離から観察。ハイイロチュ ウヒのオスだった。チュウヒ類は色の個体差が大きく、同定は難度が高いよう だ。チュウヒ♂でハイイロチュウヒ♂と同じような羽根を持つ個体もいるらし い。 落ちついて羽繕いを始めたところ、農道に作業車がやってきて飛んでしまった。 褐色をしたハイイロチュウヒのメス(タイプ)はしばしば見かけるが、オスの 渡来数は少ない。ハイイロチュウヒは飛翔姿が美しい。オス・メスともに飛ん だときの腰の白帯がよく目立つが、オスはさらに下面の白が美しい。上面の灰 色に黒のアクセントとあいまって、シックな装いのタカである。餌を求めて、 田んぼの上をゆっくり低空パトロールする姿は実にホレボレとする。 【撮影データ】 23/Nov/02, COOLPIX5000+TSN-824M |