朝7時前のスキー場、見上げるゲレンデの中に黒い塊りを見つけた。クマと直 感して観察態勢に入る。標高700m地点、双眼鏡の中のツキノワグマは山菜 を採りながらゆっくり上に向かって徘徊を続ける。今の時期、人もクマも山菜 に夢中なのだ。 赤土の斜面を登ると、そのまま視界から消えて行った。山でまともにクマと出 会うのは2度目。3年前の2006年6月25日の遭遇は、わずか20mの距離で起 こった。びっくりしたクマは猛ダッシュで逃げて行ったが、今回は200m以 上の距離があった。クマも私も慌てることなく、希少な出会いの時間が過ぎて 行った。歩行中、出合いがしらの遭遇は勘弁だが、クマとの出会いはどこか神 聖なものに感じられる。 林道沿いの大ブナの前で鳥を待つ。ツツドリがやってきた。逆光空抜けで条件 は悪いが、昨年の初撮影よりはマシな写真になった。飛び出したところ。黙っ て飛んでいる姿は、カッコウとの見分けは困難。さらに待機すると、今度は2 羽でやってきて、視界に入らない梢でしばらく羽根を休めていた。そのうちの 一羽が飛んだところ。 同じブナにサンショウクイ、イカルが立ち寄っては休んでゆく。 カッコウ、ホトトギス、アカショウビンの声はまだ聞こえない。 【撮影データ】 16/May/09 豊岡市 D90+VR300F2.8x1.4 |