5月26日、仲間からブッポウソウ確認の一報を受けた。翌朝さっそく指定さ れたエリアに行ってみると、運良く立ち枯れの高いてっぺんにブッポウソウが 止まっているのが見えた。ほどなくアップストロークとダウンストロークをゆ っくり繰り返しながら反対側の林に飛んだ。4羽の群れだった。2カップルな のだろうか。遠い枝先に止まったブッポウソウ。 私がブッポウソウを初観察したのは15年前。その時の記録がこちら。当時は デジタル一眼レフもまだ持っておらず、スコープにコンデジを接続してデジス コで撮影した写真だった。実に15年ぶりの再会となった。 10日ほど経った現場で再会。枯松の高枝に逆光で止まるブッポウソウ。カエ ルのようにゲッゲッと鳴くので居場所がわかりやすい。隣の枯松に別の3羽が 止まっており、4羽の群れがいることを再確認した。空中に飛び出しては飛ん でいる虫を捕まえて元の場所に戻る行動を何度か繰り返したあと、私の頭上を 飛んで4羽が旋回を始めた。ローリング飛行をすることが英名の由来らしいが、 繁殖期のディスプレイ飛行か、そのような飛行を何度か見せてくれた。美しい 翼上面のカットはピンボケのこれ1枚。やがて高度を上げながら北方向の森へ 消えた。 同日に撮影したサンコウチョウ。虫を捕まえた。 その3日後に再び調査に出向く。朝の時間帯にはまったく気配がなかった。 電線に止まったウグイスがホーホケキョと高らかに鳴いた。前回ブッポウソウ が止まった枯松にはアオバトが止まってのどかに鳴いていた。 夕方の17時台の現場でチャンスが訪れた。少し離れた枯れ木の上に1羽が飛 来して、寛いだ様子でしばらくいた。やがて近くの農地の杭の上に下りてきた。 18時を過ぎて光が足りないが、どうにかブッポウソウ図鑑写真を残すことが できた。昆虫食のこの鳥は吐き出すペリットも大きなかたまりだった。 その後も時々様子を見に行ったが、この観察を最後に目撃が途絶えた。本格的 な抱卵に入ったか、別の繁殖エリアに移動して行ったのか。今後も継続的に見 て行こうと思う。マツクイムシによるアカマツの立ち枯れが増え、それが白骨 化して山のいたるところに立っている。そんな自然環境を再び住処として選ん だのがブッポウソウなのだろうと考えている。変化する自然環境に適応する生 き物が必ずいる。自然界は面白い。しかしその変化に気づくには、見続けてい なければならない。 【撮影データ】27/May-10/Jun/18 D500+VR300mmF2.8 |