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帰省した息子のリクエストもあって、親子3人で氷ノ山を目指した。コースは イージーな大段ヶ平からのピストン。晩秋の氷ノ山をノンビリ楽しむことに。 我が夫婦にとっては、5月の阿瀬渓谷以来、実に半年ぶりの山歩きとなった。 アプローチの横行渓谷を息子のKカーで上る。途中、台風12号による土砂災 害跡が残るが、全線問題なく通行できる。紅葉は時期的にもう遅いのと、天候 の加減だろう、色がいまひとつの年である。それでも車窓から渓谷の秋景色を 十分楽しんだ。 大段ヶ平駐車場にはハイカーの車が結構な数あり、我がパーティは11時スター トの相変わらずのスローペースで山頂に向かった。秋晴れのすがすがしい天気 は気温も高めで、何よりも風が無いのがこの季節の山歩きに嬉しい。歩き始め てすぐ、登山口近くの藪の中から聞きなれない鳥の囀りを聞いた。この季節に 囀る鳥でピンと来たのがソウシチョウの名前。昨年9月に同じコースを歩いた ときにも、同じ囀りを登山道の脇から聞いた。近年、氷ノ山周辺でソウシチョ ウの繁殖が話題になっているが、どうやらどんどん数を増やしている様子だ。 帰宅後の調べで、声の主がソウシチョウに間違いないことを確認した。篭脱け 外来種の野生化の一種である。 落ち葉を踏みしめながら若いブナ林をゆく。樹林が切れると右手から東尾根が 迫り、駐車場から30分で大屋町避難小屋に到着。一息入れる。ここから30 分弱で東尾根が合流する神大ヒュッテ前に出る。「じいちゃんツリー」に1年 ぶりの挨拶。妻が飴玉一つを土の中に埋めた。若者グループが賑やかに下山し てきた。最近の山はずいぶんファッショナブルになった。保温性とか伸縮性と か、機能的な新素材が若いハイカーのスタイルを変えている。 神大ヒュッテからは深い溝状の急勾配とフラットな木道を繰り返しながら、お よそ30分で山頂に到着。予定通り、大段ヶ平駐車場からちょうど1時間半の 行程であった。山頂はさすがに風が吹き抜け、流れてきた雲が少し太陽を遮っ た。気温13℃。1枚羽織って湯を沸かし、カップ麺で温まる。山頂は賑やか で、氷ノ山越コースからも次々に登山者が到着する。 山頂からのパノラマ(魚眼レンズ撮影2枚合成)。足元のハチ高原は人工雪の 白い塊りが見える。北の正面には扇ノ山の大きな山塊が広がり、西に鳥取の海 岸線が見えていた。 13時15分、来た道を下山開始。前日の雨でぬかるんだ場所ではスリップに 注意する。25分で神大ヒュッテ分岐。下山グループはここで左に東尾根コー ス、右に大段ヶ平コースと分かれることになる。ブナ林をサクサクと軽快に下 る。見上げる赤い実はナナカマドだろうか。ときおり、ブナ林上空をアトリの 群れが飛んでゆく。ブナ林の尾根は扇ノ山の小ズッコの道を思い出させた。 山頂から1時間15分で駐車場に戻る。出発時の車の多くは去った後で、数台 が残っているだけであった。帰路も横行渓谷に下る。途中で車を下り、渓流の 写真を撮ってみるが写欲は満たされない。集落手前のぶなのしずくで湧き水を 汲んでお土産にした。 長男とは、彼が小学校1年生のときに布滝から東尾根の一周コースを歩いて以 来の氷ノ山だ。1994年9月4日の登山記録には幼いころの彼の思い出が残る。 彼にとって17年ぶりの氷ノ山、成人として立った山頂からは何が見えただろ う。若葉の季節、今度は一周コースをまた一緒に辿ってみたいものである。 ※撮影:D90+SIGMA10mmFE 【 登山日 】11年11月12日(土) 【 目的地 】氷ノ山(1510m) 【 山 域 】但馬 【 コース 】大段ヶ平〜山頂ピストン 【 天 候 】晴れ 【メンバー】たじまもり夫婦+こたじまY 【 マップ 】持たず(エアリアマップ「氷ノ山」参照) 【 タイム 】大段ヶ平P11:00…大屋町避難小屋11:30…神大ヒュッテ11:55 …氷ノ山山頂12:30-13:15…神大ヒュッテ13:40 …大屋町避難小屋14:00…大段ヶ平P14:30 |