トップろっぽうフィールド日記>このページ

オオタカ、キジを喰らう


オオタカ (タカ目タカ科/Northern Goshawk)
日曜日の朝、ゆっくり起きだすと仲間からフィールド情報が飛び込む。河川敷
のオオタカを捕捉中とのこと。ほどなく次のレポートが入り、キジらしきもの
を捕まえて食べている最中らしい。スノーシューを積んで現場に急行した。
スタックレスキュー用の牽引ロープも忘れずに。

ヨシの陰にオオタカの頭がチラっと見える。捕食開始からしばらく時間経過が
あったので、オオタカの腹もかなり膨れた頃だ。二人の観察者の動きを察知し
たオオタカは、食いかけの獲物を置いて飛び去って行った。胸はご馳走でパン
パンに膨れている。

スノーシューで土手を下り、捕食状況をチェックする。仲間の推測どおり、や
られたのはキジ♂だった。ヤナギの低い枝でオオタカはじっと待ち伏せを続け、
そうとは知らずヨシの根元にひょこり顔を出したキジが一瞬のうちに襲われた。
腹をパックリ割られて半身はすっかり食い尽くされていた。かろうじて繋がっ
ているキジの首をぶら下げて、堤防の上から見える位置に出してやった。
トビがさっそく近づいて来た。

浅瀬にはタゲリが群れていた。先日42羽の飛来でニュースになった六方田ん
ぼのコハクチョウは13羽*になっていた。河谷の冬季湛水田で寛いでいる。
伊豆地区を回ると巣塔の上に1羽、その近場で別のコウノトリがいた。ここの
ペアだろう。コウノトリは繁殖期を迎えている。

午後、市内で所用を済ませたところに仲間からコール。オオタカが戻っていて、
キジを食べている最中とのこと。現場の状況*。トビが右のヤナギに止ってい
る。オオタカの残り物をトビが食べていたところ、腹ごなしを終えて戻ってき
たオオタカに奪取され指をくわえて見ている、そんな状況を想像してみた。

トビが粗方食べてしまった残り物のキジを、オオタカは貪り食う。ときどき顔
を上げて鋭い眼光を堤防の観察者に向ける。大雪で餌が捕りにくい状況だから、
貴重な獲物は無駄にしない。背中の茶色が目立つこのオオタカは成鳥♀。

骨までしゃぶるオオタカの食事は、突然中断されることになる。我慢の限界を
超えたトビが横取りにかかったのだ。オオタカは応戦の仕草をみせるが、もう
満腹で動きが緩慢である。オオタカは残りをトビに譲り、すっかり重くなった
体を持ち上げて飛び去ったトビは最後の骨を、ゆっくりとしゃぶり続けた。

円山川沿いを巡回。雪が強まる中、ミサゴノスリをチェック。
カンムリカイツブリ3羽が浮かんでいた。

【撮影データ】 29/Jan/12 D90+VR300F2.8,*SIGMA17-70