雪の朝、農道の電柱にハヤブサが止まっているのが見えた。近づいて車窓越し にレンズを向けると足には獲物が握られており、まさにこれから食事を始めよ うというところだった。背中を向けたので一旦下を通り過ぎ、車から出て電柱 の真下から観察する。食事中の猛禽は食うことに夢中で警戒が甘い。 どうやら獲物はツグミのようである。すでに翼は毟られて羽根模様は分からな くなっている。大きさ、尾羽の形状、そしてまだ残っている頭部に明らかな白 い眉斑がツグミの特徴を示している。縦アングルで別カット。 毟られた羽根が雪に混じって舞う。 一通りの毛毟りが終わると獲物にかぶりつく。アップで見るとと、獲物の元の 姿はすっかり失われている。ときどき獲物を掴んだ足を上げてかぶりつく。 指には血痕が付着して生々しい。いわゆるダウンの部分は肉と一緒に食べる。 一緒に食べた骨や毛は、消化されずにペリットとして口から吐き出す。 まとまった雪が降って、平地でもツグミの姿がポツポツと見られるようになっ た。ハヤブサのツグミ定食はもうしばらく続くが、レンズを下ろして現場を後 にした。ご馳走を十分楽しんでくれ。 【撮影データ】 12/Jan/12 豊岡盆地 D90+VR300F2.8 |