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祝いの日に若鷹


オオタカ幼 (タカ目タカ科/Northern Goshawk)
夕方、我が家に大事なゲストがやってくる前に、六方田んぼを一巡り。稲刈が
最盛期を迎えようとしている。畦からコウノトリが飛び立つ。百合地巣塔では
暑い夏を乗り切った2羽のヒナが、巣立ちのときを待っている。

電柱の下でそんなヒナの様子を見ていると、土盛の中から高速低空で何かが飛
んで来て、目の前の電柱手前で垂直上昇し止まった。オオタカ幼鳥だった。
電柱下はコウノトリ観察の常駐場所で、観察者の動きに反応してオオタカは翼
を翻した。

草薮のスズメを追い散らしながら、オオタカは少し離れた電柱に落ち着いた。
車内から証拠写真を抑えてから、徒歩で接近を試みる。少しずつ寄りながらシ
ャッターを切る。こちらを少し警戒するものの、幼鳥らしい好奇心を向けるく
らで飛び立つそぶりがない。

さらに寄って殆ど真下の位置まで来た。尾羽が開くと鷹らしさが増す。トリミ
ングで切り出したオオタカ幼鳥のポートレート。白い眉、白い虹彩が精悍だ。
幼いながら、武器である爪は大きく鋭い。

飛び立ちシーンが欲しかったが、気配がないので背を向けて車に戻ることに。
その直後、逆方向にオオタカは飛び出して、レンズを向けたときにはすでに小
さくなりつつあった。

めでたき日のゲストに会う直前に、目の前で若鷹を見ることができた。稲刈が
始まるこの季節、山で巣立ったオオタカのヒナが最初の狩りにやってくる。
たまたま大切な日にそんなシーンに出会ったが、とりわけ特別な思いで飛び去
るオオタカを見送った。コウノトリとタカ、縁起ものだ。

【撮影データ】 11/Sep/11 D2X+VR300F2.8