先週末、台風12号が四国から北に縦断し山陰沖に抜けた。ノロノロ台風は記 録的な雨を紀伊半島に降らせ、甚大な土砂被害と水害をもたらした。当地では 刈り入れ前の水田を中心に農業被害があったが、人的被害がなかったことは幸 いである。 6日の火曜日になって天候は回復し、午後にかけてカラっとした晴天となった。 たまたま平日休暇に当たっており、午前の所用を済ませてから、午後は久しぶ りにフィールドワークに出た。 シギチの秋渡りが始まっている箱石海岸*は、台風のうねりがなお残っている。 砂浜への漂着物は思ったほど酷くはなかった。丘陵沿いにトウテイランが紫の 花を咲かせて目を引く。魚露目で撮ったトウテイラン**。ハマベノギクやセン ニンソウの花も目立つようになった。 修理中のD90に代って、この日は何年ぶりかにD2Xを持ち出した。328 を着けるとずっしり重いが、ファインダーの見やすさはD90をはるかに凌ぐ。 なによりもシャッターフィーリングが全然違う。カカッと乾いた音。シャープ な切れ味はハイエンドならではの持ち味である。 最初に見つけたのはソリハシシギ。あとはシロチドリとメダイチドリがポツポ ツ。大波が押し寄せ、岩場も海中に没しているこの日の浜には、渡り鳥の姿も 少ない。メダイチドリが飛び立ち、波の上を旋回して離れた場所に移動する。 盛大トリミングのメダイチドリ。この時期のシギチの多くは今年生まれの幼鳥 である。 六方田んぼに戻ると、早稲種の稲刈作業が始まっている。コンバインを挟んで コウノトリが下りていた。50m手前でレンズを向けると、嫌々飛び立って行っ た。(トップ写真) このとき、別の1羽が稲の中にいるのに気づいた。この 時期になると、コウノトリの餌はバッタに変わるのだ。 台風が秋の空気を運んできたような、さらっしたと爽やかな空気が気持ちよかっ た。半月ぶりのフィールドワークは、夏の後半をすっとばして秋モードにシフ トしまったようだ。 【撮影データ】 06/Sep/11 D2X+VR300F2.8,*SIGMA10mmFE,**GX8+Gyoro8 |