スズミグモが最終脱皮して成熟個体となったと、仲間のY氏がレポートをくれ た。盆休みに入った週末、さっそくポイントに出かける。 1週間前とは打って変わって、赤く色づいたスズミグモがドームに張り付いて いた。カエデの枯葉が多く付着した網は張り替えたようで、古い網と脱皮殻が 新しいドームの下に放置されていた。 朝の柔らかな斜光の中でドームのシルエットを撮ってみる。レースのベールを ふわっと宙に浮かせたような独特の網は美しい。ストロボを真上から焚いて、 富士山型のドーム全体を撮影する。 Y氏が合流し、ライティングのアシスタントを買って出てくれる。昼間でも、 光の当て方次第でドラマテックなスズミグモが表現できる。スズミグモの常駐 場所はドームの天頂。真横からみると、赤い色は腹部の上部だけであるのが分 かる。 ドームの上に葉が落ちると、スズミグモは実に器用に網を操作し、網から葉を 外して落下させた。すぐに補修を済ませると、何事も無かったように再び天頂 に戻って行った。なかなか面白い行動が観察できた。 スズミグモの網は蜘蛛界きっての美しさであるが、赤い完熟ボディも艶っぽく 魅力的である。スズミグモ図鑑写真1、スズミグモ図鑑写真2。 スズミグモの成長過程を時系列で並べてみると、赤味の入り具合がよく分かる。 フィールドで見かけた昼間の蛾2点。 オオミズアオは葉裏で、ヤママユガが建物の壁面で、それぞれの身をカムフラー ジュしながら夜が来るのを待っている。 【撮影データ】 13/Aug/11 豊岡市 D90+SP90Macro,VR300F2.8,SIGMA10mmFE |