暑さのピークを少し過ぎた14時45分に自宅を出る。西の山すその集落の路 地を上がり、突き当たりのお堂にいつものサンシチソウを確認。獣除けのフェ ンスの扉を開けて山道に入る。特にこの季節は山を歩く人もいないようで、道 はかなり荒れている。 谷の竹林と斜面の杉林に挟まれた山道をゆっくり上がる。汗がどっと吹き出る。 トゲグモ*を撮ってジグザグに高度を上げると、やがて中腹のお堂が見えてくる。 昨秋もこの周辺で確認したが、オニフスベ*が2つ出ていた。いずれも老菌。 尾根道の雑木林で甲虫を探す元気もなく、ぜーぜーと息を切らしながらひたす ら山頂を目指す。予想時刻の15時30分ちょうどに山頂着。ベンチで一息入 れてから観察モードに。オオムラサキは2頭がテリ張りしている様子だった。 1頭は桜の葉上で警戒体勢をキープ。開翅シーンを撮るのはなかなか難しい。 もう1頭は山頂を挟んだ反対側のヒノキの葉上が常駐場所だ。 それぞれのテリトリに他の蝶が入り込むと、スクランブル発進で追い払う。 アゲハチョウの仲間がもっとも攻撃を受けるが、オオムラサキ同士の高速空中 戦も見ものだった。ツバメが低空飛行すると飛び出して行く。タマムシが呑気 に飛んでくるとそれも追い払った。 さて、オオムラサキと共にこの山頂でのお楽しみがタマムシである。オオムラ サキとタマムシの共通の食草であるエノキ林が山頂にあり、この2種の同時観 察ができるのである。タマムシはエノキの樹冠あたりを複数で飛び回っている。 飛んでいるのはオスで、メスを探しているのだそうだ。T字のシルエットで独 特の飛び方をする。ようやく葉上に止まったところ望遠で。 山頂でレンズを向けたキアゲハ、ジャノメチョウ。 ミヤマカラスアゲハ、ヒメアカタテハなどもよく目立った。 ヒグラシが鳴き始めた17時30分。オオムラサキの占有行動も収まってきた。 元の道を急ぎ足で下る。鹿の気配があちこちでする。西日に照る尾根道*を外れ ると、暗い谷道となって集落へと下りて行った。 【撮影データ】 16/Jul/11 豊岡市 D90+VR300F2.8,*SIGMA10mmFEx1.4 |