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梅雨明けの山


キマダラルリツバメ (シジミチョウ科)
7月8日に梅雨が明けた。梅雨入りも早かったが、明けるのも例年より随分早
い。その分、秋が早く訪れるかといえば多分そうはならず、ますます長い夏に
なりそうな気配だ。暑く長い夏と寒く長い冬の、日本の四季は二季に変わって
しまうような気がする。

遅めに山に入る。山の気温も高い。アサギマダラにレンズを向け、沢沿いでは
ジョウザンミドリシジミを見つけた。魚眼レンズの別カット*はピンボケ。
田んぼで羽化して避暑に上がってきたアキアカネが目立つ。山道から若い男性
が現われた。金山から蘇武岳を経て、カキツバタの湿地まで走ってきたという。
これからまた戻りますと、山ボーイはランニングで遠ざかって行った。

いつもの折り返し点で散策。路傍のキカラスウリ*が目を引く。ヤマアジサイに
はハナバチ*が寄っている。アズマキシダグモ*が出てきて威嚇のポーズ*を見せ
た。

折り返しの戻り道、路肩でお湯を沸かしてお昼にする。ブナ林のエゾハルゼミ
の合唱は一頃に比べると力をなくし、代わりにニイニイゼミの声が混じるよう
になった。アカショウビンもヒナへの給餌に忙しいのだろう。ときどき遠くで
声が聞こえるくらい。近くにきたキビタキにしばらく遊んでもらう。囀りシー
ン。トケンの声も弱々しくなってきた。

午後の後半はゼフィルスのポイントで過ごす。活動時刻に合わせて上ってきた
仲間のKingFisher氏と合流。
ムラサキシジミ
ミズイロオナガシジミ
アカシジミ
イチモンジチョウ
ヒメシロモンドクガ幼虫

ハヤシミドリシジミの活動時刻にはまだ早く、カシワの葉陰でじっとしている。
その近くにいたのがダイセンシジミ。別名ウラミスジシジミ。希少種でマニア
には人気が高い。別カット。開翅の写真は撮れずじまい。むき出しの私の右腕
にアカタテハが止まって汗を吸いだしたので、レンズを魚眼に交換し、左手で
クロスしてシャッターを切る。

5時台後半になって、ようやくキマダラルリツバメが飛び始める。
開翅シーン。2対の尾状突起が魅力的である。(トップ写真)

6時を過ぎるとハヤシミドリシジミの卍飛翔があちこちで始まる。円を描きな
がら2頭が追いかけあう場面は見ていて面白いが、写真に収めるのはとても難
しい。何年経っても満足な写真が撮れたためしがない。テリトリの見張り台で
翅を広げるハヤシミドリシジミのコバルトブルーが西日に照る。もう1枚。

光が乏しくなって撮影を終了。下山の路肩には他府県ナンバーの車が結構な数
止まっており、なおも撮影や採集にいそしむ人たちの姿があった。カシワ林は
ハヤシミドリシジミの出現ピークを迎えている。

【撮影データ】 09/Jul/11 D90+VR300F2.8,*SIGMA10mmFEx1.4