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夏鳥揃い踏み


サンコウチョウ (スズメ目カササギヒタキ科/Black Paradise Flycatcher )
そろそろ走れるかなと思い、チェックを兼ねてシーズン初の林道を巡った。谷
沿いの上りでは、雪で倒れた杉があちこちに散ばっている。稜線に出てからは
路上に落石や法面の小さな崩落が目立つ。

今なお残雪が林道を塞いでいる箇所があり、路肩にはみ出しながら何とか通過。
ブナ林の下でキツネがトボトボ歩いていたが、車に気づいて森の中に飛び込ん
だ。ツツドリがスギのてっぺんに止まった。すぐに別の1羽が追い払った。

アカショウビンの声が近くから聞こえた。しばらく待機して遠くの証拠写真。
新緑の中に突然飛来する真っ赤な姿は、何度見ても心が躍る。今回はこれ以上
の展開はなかった。残雪の斜面にはサンカヨウが咲いている。

その後も残雪は所々で林道上に見られたが、とうとう通行不能の雪にぶちあたっ
た。ここでUターン。オオルリは逆光の見上げしかチャンスがなく、ほかの鳥
も撮影チャンスはなかった。それでも一通りの夏鳥が揃ったことを鳴き声から
知ることができた。この日チェックした主な鳥:
サシバ、コルリ、アカショウビン、ツツドリ、ホトトギス、カッコウ、ジュウ
イチ、オオルリ、キビタキ、クロツグミ

基幹林道の支線を下る。途中ギフチョウを何度か見かけた。今年の春山はとり
わけフジが美しい。こちらはトチノキ。

その後のミソサザイの営巣地を訪ねてみる。先だっての大雨で、残念ながら巣
が破壊されてしまったようだ。近くでサンコウチョウのペアが飛び回っている
ので、しばらく観察モードに入る。

道路を挟んで杉林があり、沢沿いのホオノキにもサンコウチョウが顔を出す。
ワンチャンスで低い枝にオスが止まったので連写。上面の小豆色が美しい。
冠羽もよく分かる。鳴いた場面では口の中が緑色であることが分かる。わりと
距離が近かったのでトリミングのアップもシャープ。

ホオノキの高い枝に止まったこのシーンがサンコウチョウらしいポーズである
が、遠くの逆光でピン甘が残念。このオス、尾の飾り羽根の長さが左右で違う。
こちらが連れ合いのメス。

午後からは継続観察中の営巣状況をチェック。ヤマセミの巣は気配がまったく
ない。2時間待っても親鳥は現われなかった。この巣は放棄されたのかもしれ
ない。

円山川河口のアオサギ営巣地は、すっかり伸びたヨシで巣が見えなくなった。
チェックしてきたファミリー、3羽のヒナは親鳥と変わらない大きさにまで成
長していた。親鳥が給餌を終えて休憩する横で兄弟喧嘩別の巣でも同じよう
な状況が見られ、まもなくこのコロニーからヒナが次々に巣立ってゆくことだ
ろう。

【撮影データ】 21/May/11 D90+VR300F2.8