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赤襟と尾黒


アカエリヒレアシシギとオグロシギ
午後遅くから海辺の田んぼを回る。水面に西日が煌めく。畦の上、反逆光に縁
取られたアマサギが美しい。湛水田で餌を漁り、やがて飛び立って離れて行っ
た。アマサギの飛翔姿。

田植え待ちの田んぼに4羽のアオアシシギがいた。田植えの済んだ隣の田んぼ
をふと見ると、アカエリヒレアシシギの大きな群れがピチピチと動いているの
だった。前日、竹野スノーケルセンター前でアカエリヒレアシシギ確認の報告
を受けていた。週末は東の海辺の田んぼに入るかもしれないと思っていたが、
まさにビンゴ!であった。

アカエリヒレアシシギは警戒心の弱い鳥である。少々のことでは驚かず10m
以内にも平気で寄ってくる。車から出て畦での観察モードに切り換える。これ*
が今回の観察環境。このシギの観察時はいつもそうであるが、ひと時もじっと
することなく、餌採りにせわしなく動き回る。群れの数はざっと40羽。これ
までの観察の中では最大の群れである。ときどき翼をピンと立てるのが狙い目
だが、なかなかタイミングが合わない。

次第に群れに目が慣れてくると、大きく3つの形態が混在していることに気づ
く。赤襟の濃いのが夏羽成鳥メスである。脚は水中だが全体はこんな感じ。
こちらは色が少し薄いが、メスの夏羽移行中か亜成鳥か。成鳥オスはこの写真
の前2羽がそうである。後ろのメスと比較すると違いがよくわかる。オスは全
体的に赤味が少なく、胸元も白っぽい。こちらは第1回夏羽の幼鳥で、赤味が
殆どない。

近くで撮った頭部を拡大してみると、舌の色が青いことが分かる。別カットで
は青い舌が上くちばしに沿って先端まで伸びている。細長いくちばしと長い舌
をうまく使って、小さな水生生物を濾しとって食べるのだろう。

見回りの爺さんが近づいて群れが一斉に飛んだ飛翔上面は白いラインがよく
目立つ。飛翔下面は頭部の赤襟の他は白い。飛翔正面着水態勢着水。

最後は35mmレンズで迫ってみる。目の前まで寄ってきて*飛んで少し離れる*。
畦に腹ばいになって撮っていたら、袖をまくった腕をアリに何箇所か咬まれた。


D90による動画を見れば、アカエリヒレアシシギのせわしなさがよくわかる。
この動画は早回しではなく通常の再生速度。彼らは水中で動き回ることで水生
動物を浮き上がらせ、それを吸い取るように採餌するのである。

連絡を受けてやってきた仲間が、近くの別の田んぼで20羽ほどのアカエリヒ
レアシシギとオグロシギ1羽の混群を見つけた。私がチェックしていた40羽
と合わせて、アカエリヒレアシシギの群れはおよそ60羽を数えた。

大型のオグロシギは色目も美しく見栄えがする。上空のトビを警戒したのか、
急に群れが飛び立った。水路で網を入れる子どもたちのそばを飛ぶオグロシギ。
ピンボケ写真だがオグロシギの特徴がよく分かるカット。

足元のタカブシギを撮って18時前に観察終了。翌日、同エリアのオグロシギ
とアカエリヒレアシシギの半数は渡去。残ったアカエリヒレアシシギは、相変
わらずせわしなく餌を食べ続けていた。(以下の動画)



【撮影データ】 14/May/11 京丹後市 D90+VR300F2.8,*DX35mmF1.8