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同じ日本の海で


シロエリオオハム (アビ目アビ科/Pacific Diver)
テレビでは3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震災害を伝え続けている。
土曜日は外に出る気力もなく過ぎたが、引き続きの好天に恵まれた日曜日はフィ
ールドに出てみた。

カーラジオのFMは、被災地へ向けたメッセージとリクエスト曲を流している。
停電でもラジオは聴くことができる。被災地の人からは、やっと音楽が聴けて
心が休まったとメッセージが寄せられる。音楽の力に改めて胸を熱くしながら
海へと向かった。

前週チェックしたレンジャクの姿は無かった。海は穏やかで、同じ海が一瞬に
して多くの人命を飲み込んだことがまったく信じがたい。シロチドリの群れが
波打ち際から飛んだ。沖にはシロエリオオハムの群れが点々と見える。岩場で
腰を下ろすと、ウミネコが翼を翻して降り立った。

午後からは円山川沿いに河口まで下ってみる。河川敷の牧草地にコウノトリノスリもまだあちこちに残っている。ヨシ原のサンカノゴイはまだいた。相変
わらず警戒心が強い。飛び立ちの瞬間を何枚か。最初のストローク。頭がフレー
ムアウトしてしまった垂直上昇後ろ姿は雁を思わせる。足を見るとやはりサ
ギであることが認識される。

湿地のアオサギの巣では抱卵が始まっていた。円山川ではカンムリカイツブリ
が夏羽の美しい姿を見せてくれた。横から見る後ろから見る。

夕刻、六方田んぼの湛水田では23羽のコハクチョウ*がなお滞在中である。
先週行われた六方川下鉢山流域**のヤナギ伐採、野鳥の隠れ場所すっかりなく
なってしまった。

【撮影データ】 13/Mar/11 京丹後市・豊岡市 D90+VR300F2.8,*VR18-200
                      **SIGMA10-20